[2022_09_14_02]茨城・東海村 原子力テーマに村長と村民対話 10月から6地区で(茨城新聞2022年9月14日)
 
参照元
茨城・東海村 原子力テーマに村長と村民対話 10月から6地区で

 茨城県東海村は、山田修村長と村民が「まちづくりと原子力」をテーマに意見交換する対話集会「タウンミーティング」を10月30日から村内6地区で始める。2021年12月までの1年間、村民が原発問題を議論した村主催の「自分ごと化会議」参加者が、提案書で議論の場を求めていた。山田村長は「村民の率直な意見を聞きたい」としている。
 20年12月から計5回行われた同会議は、村内に立地する日本原子力発電(原電)東海第2原発の再稼働問題を巡り、住民の意向を把握する一環として実施。無作為抽出で選んだ村民25人が、再稼働の是非自体は議論せず、原発の課題や疑問を自由に話し合った。
 参加者は今年3月、原発について考えてもらうために必要な六つの提案をまとめ、山田村長に手渡した。その一つが、原発の賛成反対に関係なく、多様な村民が参加し建設的な議論を交わす場の設置だった。
 村政策推進課によると、タウンミーティングは小学校単位で実施する。同会議の手法を基に16〜75歳の村民を無作為抽出し、各地区600人に案内チラシを郵送し参加者を募る。村側は山田村長と事務局の同課職員が出席。第三者の進行で、村長と村民、村民同士が自由に議論する。
 各地区とも2回開き、1回約2時間を予定。気兼ねなく発言できるよう、会議は冒頭を除き非公開で、後に議事概要をホームページで公表する。
 初回は10月30日、2回目は11月13日で、共に白方と中丸の両地区。残り4地区は12月以降に実施し、全地区とも本年度中に終える。
 再稼働判断のうち住民の意向把握について、山田村長はこれまで、村民に原発問題への関心を高めてもらうため冷静に話し合える場を設け、多くの村民の意見を聞いた上で判断する考えを示している。
 山田村長は「村内には原発を含めさまざまな原子力施設がある。村民の原子力に対する考えやイメージを伺いたい」との意向を示し、「村民がまちづくりや原発問題を考えるきっかけになれば」と議論の広がりに期待する。東海第2原発については「再稼働の賛否ではなく、何を考えているか多くの声を受け止めたい」と述べた。
 タウンミーティングについて村は、来年度以降もテーマを変えて続ける意向を示している。
KEY_WORD:TOUKAI_GEN2_: