[2022_09_13_02]「停電コストの方が安い」…周波数変換所の容量増強よりも 2013年1月電力系統利用協議会(ESCJ)の試算 国と大手電力が「東西連系線=電力融通」の容量増強を11年も さぼっていた理由の1つがわかった気がする 「周波数変換所」の容量を大幅に増強せよ(たんぽぽ2022年9月13日) |
参照元
◎再生エネルギー廃棄、砂上の送電網 停電リスク軽視、電力融通の強化先送り 余る太陽光、生かせず 東西、周波数に違い 「停電の方が安い」連系線増強、及び腰 上の4行は、9月13日「日本経済新聞」朝刊29面「Inside Out?いまを解き明かす」の見出しです。 2011年3月11日東電福島第一原発事故の時は、「東西連系線」(西の60ヘルツと東の50ヘルツを相互に融通できるように変換)=周波数変換所の容量は120万kwでした。 事故当時、東京電力管内では電力が不足し、関西圏では電力に余裕があったにもかかわらず、関東圏へ最大で120万kwしか電力を融通できませんでした。 2022年には、やっと90万kw増えて210万kwになっています。 「再稼働に必要な金額」から見ればよっぽど少ないのになぜ容量増強をしなかったのか、その理由の1つがわかった気がする。 2027年には300万kwにする計画があるようです。 しかし、まだまだ足りません。周波数変換所の容量が400万とか500万kw位あれば、本年6月の「電力逼迫」も起こさなくてよかったはずです。 ※(7/27発信【TMM:No4542】「東京電力は『周波数変換所』を大幅に増強せよ」も参照して下さい) ◎参考までに、9/13「日本経済新聞」「Inside Out?いまを解き明かす」を抜粋して紹介します。 各地で電力需給の綱渡りが続く一方で、太陽光など再生可能エネルギーが使い切れずに捨てられている。 東・西日本を結ぶ送電網が細く、電力が余る地域から足りない地域へ融通できないためだ。 天候に左右される再生エネは電力供給を不安定にした主因とされがちだ。 実際は停電リスクを軽視し、送電網整備をおろそかにしたツケが回った面も大きい。(中略) 「停電の方が安い」連系線増強、及び腰 国と大手電力の腰は重かった。2013年1月送配電ネットワークに関する中立機関、電力系統利用協議会(ESCJ)がある試算を示した。 東西の連系線の送電能力を90万kw増強する場合と、増強せずに停電するコストを比べた。 結果は停電コストの年平均12億から16億円に対して、増強コストが同63億から118億円に上った。「停電した方が安い」と金額で示した形だ。 今では、停電リスクの克服が国の最重要課題だが、当時は増強に経済性がないと判断された。(中略) 政府の規制改革会議委員を務めた学習院大学の鈴木亘教授は「地域独占で守られていた大手電力は増強に後ろ向きだった…」「安定供給と競争を促す政策が不十分。国にも責任がある」とも話す。(後略) |
KEY_WORD:電力ひっ迫の注意報_:FUKU1_:再生エネルギー_: |