[2022_09_09_03]大間原発、審査長期化で運転開始5度目延期(東奥日報2022年9月9日)
 
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大間原発、審査長期化で運転開始5度目延期

 電源開発(Jパワー)は9日、青森県大間町に建設している大間原発について、今年後半としていた安全強化対策工事の開始時期を「2024年後半」に2年延期し、28年度としていた運転開始目標時期は未定とした上で「30年度を目指す」と表明した。安全工事の前提となる原子力規制委員会の新規制基準適合審査が長期化しているためで、延期は5度目。Jパワーが同日、同町など北通り3町村と県に説明した。
 Jパワーによると、安全工事の工期は従来通り5年間を見込んでおり、その後の試運転に1年程度必要となることから、運転開始の目標時期も2年ずれ込んだ。
 安全工事は新規制基準に対応するため、格納容器や炉心の損傷防止、放射性物質の拡散抑制などを強化する目的で実施する。
 大間町議会大間原発対策特別委員会(原特委)では、倉田一(いっ)秀(しゅう)Jパワー大間現地本部長が「町民の方々に示していた目標を守ることができず、心からおわび申し上げる」と陳謝。「今後もプラント審査や工事計画の認可が控えることを考慮すると、工事開始までにどうしてもあと2年程度が必要。再度お待たせすることになり大変申し訳ないが、30年度の運転開始を目指し最大限努力する」と理解を求めた。
 一方、県庁では、萩原修Jパワー副社長が柏木司副知事に工程の見直しを報告した。
 柏木副知事は、延期が繰り返されていることに対し、県民や関係自治体の理解を得るため最大限努力するよう求めつつ、「審査対応に万全を期し、安全向上対策に一層の責任と使命感を持って取り組んでほしい」と述べた。
 萩原副社長は終了後の取材に「大間町議会の原発誘致決議から38年が経つが、国のエネルギー政策のためにずっと地元が応援してくれている重さは計り知れないものがある。一歩一歩着実に審査を進めていきたい」と強調した。三橋一三県議会議長にも延期を伝えた。
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