[2022_08_25_03] 柏崎刈羽原発再稼働、東電所長「申し上げる段階にない」 (日経新聞2022年8月25日)
 
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柏崎刈羽原発再稼働、東電所長「申し上げる段階にない」

 東京電力ホールディングス柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の稲垣武之所長は25日の記者会見で、6〜7号機の再稼働ができる時期について「我々としては一切申し上げる段階にない」と述べた。6〜7号機を含む最大17基の2023年夏以降の再稼働をめざすとした24日の政府方針を受けた発言。
 稲垣所長は「追加検査が終わって、その判定が変わらない限り、燃料を一切どこにも移動できない状況だ」と指摘。一部未完了だった安全対策工事についても「鋭意進めているところで、完了はまだ申し上げられる時期にはない」と説明した。
 「今までの不適切事案に対し、きちんと対策を打って地域や社会の皆様からの信頼回復を目指していかない限りは、再稼働はありえない」と強調。政府方針について「ネガティブには思っていないが、近道ができたとかハードルが下がったとかは一切考えていない」と指摘。「今やらなければいけないことにとにかく注力し、行動と実績でお示しする」と語った。
 6〜7号機の配管で不適切な溶接があった問題では、再施工後の試験の際に「原子力規制庁からの立ち会い要望に応じていなかった」と述べた。検査項目や時期を記したリストを提示していたが、現場確認か記録確認かの具体的な記載がなく、異なる段階での立ち会いを想定していたという。
 稲垣所長は「規制庁の検査を妨害する意図や、状況を隠す意図はない」と語った。リストへの記載内容を改善するほか「コミュニケーションをより密にし、引き続き検査に真摯に対応する」と述べた。不適切な溶接は2021年に発覚。7号機では計1580カ所の溶接作業を実施した。
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