[2022_08_08_03]ザポリージャ原発で戦闘が激しさを増す 外部電源を喪失し原子炉が緊急停止 ザポリージャ原発で交戦続く 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2022年8月8日)
 
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ザポリージャ原発で戦闘が激しさを増す 外部電源を喪失し原子炉が緊急停止 ザポリージャ原発で交戦続く 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 NHKなどの報道によると、ウクライナ政府はザポリージャ原発で戦闘があり、その際に敷地内の外部送電線につながる変電設備が被弾、機能喪失したため、原子炉のうち1基が緊急停止した。なお、ウクライナ政府によると、ザポリージャ原発には、まだ運転中の原子炉があるという。
 ウクライナとロシアはいずれも、相手側による攻撃だと、非難合戦を行っている。
 ザポリージャ原発はロシアがウクライナに侵攻した初期の3月4日に武力制圧し、その後占拠が続いている。制圧時にも戦闘があり、訓練棟が砲撃で破壊された。
 現時点でロシア軍兵士500名が駐留しているとされる。
 一方、ウクライナ政府はロシア軍が原発内に重火器を配置しており、ここから川を挟んだ地域をロケット攻撃していると非難、ロシア政府はこれに対して、ウクライナ軍が原発を攻撃していると反論している。(7/30発信TMM:No4545で既報)

戦闘の激化とウクライナとロシアが避難の応酬

 ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムのSNS(テレグラム)に投稿されている内容によると、原子炉がある建物の近くで3回の飛翔体による攻撃があり、「330kVrの変圧器を攻撃した。」死傷者があったかどうかは明らかにされていない。
 なお、AFP通信によると、エネルゴアトム社は、攻撃が始まる直前にロシア国営原子力企業ロスアトムの従業員は原発から避難したという。ウクライナ外務省は、稼働中の原子炉への攻撃は「原子力爆弾の使用と同等の結果」をもたらす恐れがあると批判した。
 一方、ロシア国防省は、ウクライナ側の主張を否定して、ウクライナ部隊がザポリージャ原発と同原発のあるエネルゴダル市に対し3回の砲撃を行ったとし、ウォロディミル・ゼレンスキー政権の「核テロ行為」を非難するようIAEAにに要請したという。

 こうした事態が予測されているから、「戦場の原発」がいつ核爆弾になるのかわからないとの警告を私たちはしてきた。
 エスカレートすれば、この地で原発が「核爆弾」に変わってしまう。
 そうなる前に、停戦と原発の停止をしなければならない。
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