[2022_08_01_06]花角知事よ!「原発検証委員会」の目的は刈羽原発が 安全に稼働できるかどうかの検証のはず 新潟の「どうなる?原発検証委員会のゆくえ」講演会に参加 清水寛(「なの花の会」世話人、たんぽぽ舎会員)(たんぽぽ2022年8月1日)
 
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花角知事よ!「原発検証委員会」の目的は刈羽原発が 安全に稼働できるかどうかの検証のはず 新潟の「どうなる?原発検証委員会のゆくえ」講演会に参加 清水寛(「なの花の会」世話人、たんぽぽ舎会員)

 7月23日(土)13時から17時まで、「どうなる?原発検証委員会のゆくえ」についての講演会が新潟のアートホテルであった。
 主催は新潟の新しい未来を考える会(会長 片桐奈保美)で、新潟国際情報大学の佐々木寛さんの司会で進行した。
 講師は原発検証総括委員長の池内了(名古屋大学名誉教授)さんと、元新潟県知事の米山隆一(衆議院議員)さんでした。
 池内了さんからは、県が作成した資料「検証総括委員会 池内委員長のご意見と県の考え」を基に説明があった。5項目の池内委員長の意見と県の考えについて対比して示されている。

 5項目は1.県民の意見を聞く機会の実施、2.柏崎刈羽原発の安全性の検証結果の確認、3.東電の適格性の評価の議論、4.検証総括委員会の最終報告書、5。委員会への知事の出席 からなっている。
 このうち、特に問題となったのは2項目の「柏崎刈羽原発の安全性の検証結果の確認」についてでした。
 池内委員長の意見は、「目的:原発検証総括委員会は、柏崎刈羽原発が安全に稼働できるかどうかを検証することが総括委員会の重要な任務であり、単に福島事故の検証を行うことを目的としていたのではない。
 従って、柏崎刈羽原発に対して、何ら言及しない検証総括はあり得ない」「技術委員会の報告書には両論併記が目立ち、それだけでは検証したことにはならない」と述べていた。
 一方、県の考えは「・原発総括委員会は運営要綱にあるとおり、福島第一原発事故及びその影響と課題に関する3つの検証(事故原因、事故による健康と生活への影響、安全な避難方法)の個別の検証を総括することを目的としています。」「・柏崎刈羽原発の安全性については、3つの検証の結果と、技術委員会における施設の安全性についての確認結果とを合わせて総合的に判断していくこととしています。」と示していた。
 すなわち、柏崎刈羽原発の安全性については、県が総合的に判断するから、柏崎刈羽原発が安全に稼働できるかどうかを検証するためにできたはずの検証総括委員会は柏崎刈羽原発の安全性には何ら言及をしないでほしいとの考えであった。
 原発検証総括委員会は知事の求めに応じて開催することになっており1年以上開催されていないとのことである。
 元新潟県知事の米山隆一さんからは、「三つの検証に係る情報開示請求について」(開示資料のうち26頁)の配布資料を基にお話しされた。
 当時の米山知事は、2018年2月の第1回の総括委員会で「技術委員会は柏崎刈羽原発の検証ということでスタートした。柏崎刈羽原発に関しても一定の報告書を出して頂きたい」と述べていたとのことである。

開示資料 第1部 米山知事時代 2016年12月〜2018年3月 85頁
     第2部 花角知事 2020年12月〜現在 30頁
 花角知事になってからの資料が米山知事時代に比べて極めて少ない。

 花角知事は、県知事選で検証委員会の結果でもって県民に信を問うと公約し、選挙の争点にしなかったのだから、県民が柏崎刈羽原発稼働の安全性について正しく判断する上からも、原発検証総括委員会が柏崎刈羽原発の安全性についての何らかの言及については歓迎すべきなはずである。
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