[2022_07_28_11]ガラス固化体最終処分、青森で説明会(東奥日報2022年7月28日)
 
参照元
ガラス固化体最終処分、青森で説明会

 原発の使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の最終処分を巡り、青森県で4回目となる一般向け対話型説明会が27日、青森市のアスパムで開かれた。海外から返還され六ケ所村で一時貯蔵されている固化体の保管期間「30〜50年」が迫る中、参加者からは「期限までに県外搬出が間に合うのか」との懸念が相次いだ。これに対し、国などの担当者は「最大限努力する」と答えるにとどめた。
 説明会は、経済産業省資源エネルギー庁と最終処分の事業主体「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が主催、市内外から24人が参加した。冒頭、同庁放射性廃棄物対策課の下堀友数課長は「本県を最終処分地にしない」とする県、国の確約を「順守する」と強調。県、村、事業者が結んだ協定では、「30〜50年」の期間終了時点で電力会社が固化体を搬出すると約束していると説明した。
 1995年に初搬入された固化体は2025年に「30年」、45年に「50年」の期限を迎える。国、NUMOによると、処分地選定に向けた3段階の調査に20年程度、処分場建設に10年程度、計30年程度が想定され、計算上は搬出期限に間に合わない。国の担当者は「場所によっては期間が短くもなるし長くもなる。必ずしも(処分場設置に)30年が必要ということではない」と述べつつ、搬出までの具体的なスケジュールを示すことは難しい−とした。
 下堀課長は説明会後の取材に「(最大限努力するという)歯切れの悪い答えしかできず、青森の方に申し訳ない」と話す一方、北海道の寿都(すっつ)町、神恵内(かもえない)村で20年から選定手続きの第1段階である文献調査が始まったことに触れ「調査に手を挙げた自治体が出たのは一つの成果であり、このような成果を積み上げていくしかない」と語った。
 説明会は、最終処分の概要説明があった後、少人数に分かれてグループ質疑を行った。
 参加者からはほかに「最終処分地としない確約を結んだのであれば、国として『頑張る』という話ではなく、進め方を何案か持っておくのが責任ではないか。本気で考えてほしい」などの意見が出た。
 青森市の主婦(52)は「処分地が決まらなければこのまま六ケ所で廃棄物を受け入れることにならないか危惧している」と話した。
KEY_WORD:最終処分場_:寿都町_調査応募検討_:神恵内村_文献調査_:ROK_HIGH_: