[2022_07_28_10]福島第1・処理水タンク地震計 廃炉工程優先で設置 規制委批判(東奥日報2022年7月28日)
 
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 原子力規制委員会は27日、東京電力福島第1原発で処理水を保管するタンク群の地震計は、適切に揺れを記録できるか評価せずに設置されていたと明らかにした。東電が廃炉を進める工程を優先したためで、設置前の検討や、設置後の現場確認も不十分だった。
 地震計は福島県で最大震度6強を記録した昨年2月の地震を踏まえ、東電が自主的に設置した。本来は期制の対象外だが、規制委は廃炉を安全に進める上で重要だとして、今後は保安検査などで確認する方針を示した。
 27日に開かれた会合で伴信彦委員は「地震計を付けること自体が目的化し、『何のために』なのかが欠落している」と東電を批判。第1原発は事故で大きな損傷を受けている上、大きな地震が頻発していることを意識すべきだと指摘した。
 地震計は処理水の漏えいを防ぐせきの内側に設置しなければ、揺れを正確に観測できない。だが東電は、審査が必要になる廃炉の実施計画を変えずに済ませようと、せきの外側に設置した。
 今年3月に福島県で再び最大震度6強を記録した地震では、処理水を保管するタンク計約160基がずれ動いた。だが地震計は近くのパイプと接触し、正確な揺れを記録できなかった。
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