[2022_07_12_01]高レベル放射性廃液を保管しているタンクの冷却機能が 失われ約8時間後に復旧 廃液には強い放射線を出す放射性物質が含まれ 沸騰すると大事故 3者に抗議・要求文 なくそう原発・核燃あおもりネットワーク(たんぽぽ2022年7月12日)
 
参照元
高レベル放射性廃液を保管しているタンクの冷却機能が 失われ約8時間後に復旧 廃液には強い放射線を出す放射性物質が含まれ 沸騰すると大事故 3者に抗議・要求文 なくそう原発・核燃あおもりネットワーク

                       2022年7月8日
 日本原燃株式会社 殿
 原子力規制委員会 殿
 青森県知事 殿
           なくそう原発・核燃あおもりネットワーク
            共同代表 浅石紘爾 大竹 進 鳴海清彦

  (ヒューマンエラーに)抗議・要求文

 日本原燃は7月3日、六ヶ所再処理工場で高レベル放射性廃液を保管しているタンクの冷却機能が失われ、約8時間後に復旧したと発表した。青森県と六ヶ所村には、冷却機能喪失12時間後に、「A情報」として報告したという。
 六ヶ所村には高レベル放射性廃液が約211立方メートルも保管されている。
 廃液には強い放射線を出す放射性物質が含まれ、沸騰すると大事故につながる恐れがある。
 私たちは、高レベル放射性廃液の安全管理が最大の課題であり、日本原燃には事業者としての責務を果たすように繰り返し要求してきた。
 それにもかかわらず、重大事故の一つである蒸発乾固の原因となる沸騰の事態を招いたことは、到底看過できない。
 今回、重大な「ヒューマンエラー」を起こした日本原燃に厳重に抗議するとともに、徹底した原因究明と早急な再発防止の安全対策を講じるように要求する。
 日本原燃から「不幸中の幸い」とのコメントがあったが、日本原燃は事の重大性に気づいていないし、安全を確保する文化と技術もなく、事業者としての資格がないことを改めて示した。
 原子力規制員会の更田委員長は、7月6日の記者会見で、「(ヒューマンエラーによる)誤操作を防ぐためにA系とB系の配管の色を変えるとか、札をつけるとかの対応が厳しくなされていなかった」とコメントした。
 実害が出る前のインシデント(ヒヤリハット)と実害を伴うアクシデントの区別も、原子力安全ではなされていないことに驚かざるを得ない。
 初歩的なヒューマンエラーが大事故につながる教訓を全く忘れている。
 日本原燃に対して以下の3点について抗議する。

1.高レベル放射性廃液の冷却機能を8時間にもわたり喪失させたこと。
2.青森県と六ヶ所村に対する報告が、事故発生から12時間後と遅れたこと。
3.県民に対し、プレスリリースだけで、その後の説明と謝罪がないこと。

 日本原燃、原子力規制委員会、青森県知事に対し、以下について、それぞれに要求する。

イ.日本原燃は、県民に対してできるだけ早く、事故の詳細な経過を説明し、すべての情報を公開すること。さらに、早急にヒューマンエラー対策に取り掛かり、危険な高レベル放射性廃液を安全に管理すること。

ロ.原子力規制委員会は、再処理工場の安全審査を行い「事業変更許可」を出したが、今回の重大事故が防げなかったことについて責任がある。今からでも、事件・事故を含む重大事故の安全対策について再審査すること。その見直しの後に、設計及び工事の方法の認可申請を一から出直すことを日本原燃に求めること。

ハ.青森県は、できるだけ早く県民に事業者からの説明を全て公開したうえで、青森県の安全対策に関する姿勢に問題があったことを認め、今後県独自の調査を行い、県民に対する公開説明会を県内数か所で開催すると同時に、県民に謝罪をすること。
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