[2022_04_28_02]多摩川下流部の地下に軟弱な「沖積層」、地震被害大きく…羽田周辺は厚さ70mも(読売新聞2022年4月28日)
 
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多摩川下流部の地下に軟弱な「沖積層」、地震被害大きく…羽田周辺は厚さ70mも

 多摩川下流域の地下に広がる「 沖積層 」と呼ばれる軟らかい地層の分布地図を、産業技術総合研究所が公開した。この地層の深度(厚さ)が40〜50メートルに及ぶ川崎市の一部地域は関東大震災(1923年)で木造家屋の被害率が60%を超えた地域と一致。羽田空港周辺の東京湾沿いは、沖積層の厚さが約70メートルにも達していた。
 氷河期だった約2万年前の海面は現在より120メートルほど低く、多摩川流域には深さ40〜70メートルほどの複数の谷があった。その後の海面上昇により泥が周囲から流れ込んで谷は埋まり、軟弱な沖積層ができたという。
 産総研は今回、約8700地点のボーリング調査の結果を分析。東京都大田区や川崎市、横浜市にまたがる地域約160平方キロ・メートルで沖積層の分布を調べた。特に軟弱な地層が確認された地域は、戦後を中心に地盤沈下が起きた地域とも重なったという。産総研の田辺晋主任研究員(地質学)は「災害に備えるためにも、自宅や勤務先付近の地盤に関心を持ってほしい」と呼びかけている。
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