[2022_04_04_06]傲慢な東京電力−柏崎刈羽原発をめぐって 再稼働を焦る東電の「ずさんな経営・管理体制」はとどまる所をしらない 柏崎刈羽原発再稼働などもっての他である 菅井益郎(柏崎巻原発に反対する在京者の会)(たんぽぽ2022年4月4日)
 
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傲慢な東京電力−柏崎刈羽原発をめぐって 再稼働を焦る東電の「ずさんな経営・管理体制」はとどまる所をしらない 柏崎刈羽原発再稼働などもっての他である 菅井益郎(柏崎巻原発に反対する在京者の会)

 ◎世界最大の原発は世界一危険

 1969年9月東電は柏崎市と刈羽村にまたがる砂丘地420万平方mに100万kw級原発6−8基の大発電所建設計画を発表した。
 地元工作は1年ほど前から始まるが、同時に住民や革新団体などによる反対運動も起こった。
 1970年1月柏崎原発反対同盟が結成され、各地域の守る会と地区労などと連携して現地実力闘争を含む激しい抗議活動を展開するとともに異議申立や設置許可取消訴訟など様々な法的対抗手段もとった。
 しかし東電は1979年のスリーマイル島原発事故の発生にもかかわらず建設を急ぎ、1985年1号機の営業運転を開始した。
 また1986年のチェルノブイリ原発事故を他山の石とせず、1997年7号機を完成させた。1〜5号機は出力110万kW、6.7号機は135.6万kw、合計821.2万kwの世界最大の原発となった。
 100万kw級原発は1年間で広島型原爆1000発分の放射能を生ずるから、毎年8000発分にも上る、途方もない量である。

 ◎豆腐の上の柏崎刈羽原発

 荒浜の砂丘に原発などできるわけがない。東電は砂層の下の西山層を基盤にするとしたが、西山層は泥岩で軟岩である。
 結局6.7号機は40mも掘り下げ鉄筋コンクリートで「人工岩盤」を作り原子炉建屋を造った。この辺りは西山油田の延長上にあって強固な岩盤などはない。現在も上下する活摺曲地帯である。
 東電は2007年7月に中越沖地震(M6.8)が発生するまで用地内の真殿坂(まどがさか)断層の存在を認めず、中越沖地震の原因となった海底断層を無視、または著しく過小評価していた。
 豆腐の上の原発は案の定中越沖地震で全基停止に追い込まれた。
 全基停止はこれで2度目、1度目は2003年4月、福島第一、第二、柏崎刈羽全17基でトラブル隠しが発覚したとき。3度目が2011年3月東日本大震災で福島第一原発が事故を起こしたとき。
 柏崎刈羽原発は一部稼働していたが、1年後には全基が停止、今日まで停止したままである。
 福島第一原発が事故を起こしたとき、柏崎刈羽原発は一部稼働していたが、1年後には全基が停止、今日まで停止したままである。

 ◎東電に原発再稼働の資格なし

 東電は福島第一原発の事故処理費用を捻出するため、中越沖地震で満身創痩の柏崎刈羽原発を目視できる範囲で修復し、6.7号機の再稼働を急ぎ、2013年9月新規制基準適合性審査を申請した。
 これに対して新潟県民は2016年10月再稼働批判の米山隆一知事の誕生で応えた。米山知事は、泉田知事が中越沖地震後に設置した技術委員会に加えて健康・生活と避難の2つの委員会および検証総括委員会を設置し、東電や経産省の安直な再稼働路線に待ったをかけた。
2017年12月原子力規制委員会は6.7号機の新規制基準適合の審査結論を出す。2018年6月不祥事で辞職した米山氏に替わり「脱原発の社会をめざす」を公約に自公推薦の花角英世氏が知事になると、東電は資源エネ庁と一体で再稼働を強引に進めた。
ところが2020年9月規制委が東電の経営体制の「適格性」を認めた直後から東電の問題点が噴出する。
 多くは内部告発によると見られるが、社員のID不正使用、修復工事の未完成やずさんさ、さらにはテロ対策の不備の露呈と続き、規制委もついに予告なしの現地調査を行って東電の管理体制の欠陥を確認し、2021年4月核燃料の移動の禁止=事実上の運転停止を命令した。
 その後も手抜き溶接や11月には6号機の原子炉建屋に隣接する重量物搬入施設の基礎杭のひび割れ、破壊が見つかる。
 中越沖地震による液状化が原因か、まだ調査中だ。基礎杭は全部で1800本、東電は抜取り調査のみ、全部は調査しない方針だ。
 実に恐ろしいことである。
 再稼働を焦る東電のずさんな経営、管理体制は止まる所をしらない。
 再稼働などもっての他である。絶対に許してはならない。
(『地球号の危機』2022年4月「502」大竹財団発行より転載)
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