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開発費に8億500万円 原発防災アプリ、全国に先駆け鹿児島で運用開始 住民避難を支援
　鹿児島県は1日、九州電力川内原発（薩摩川内市）の重大事故に備え、住民避難の円滑化を支援する原子力防災アプリの運用を、全国に先駆けて開始した。QRコードの読み取りで避難所の受け付け手続きなどを簡略化し、自治体が出す避難指示や災害情報の受信も可能になる。
　アプリを含めた住民避難支援・円滑化システムの開発費は8億500万円。国の交付金と補助金で全額まかなわれ、国はシステムを全国に拡大する方針。
　住民は避難車両の乗車時や避難所に入る際に、アプリに表示されるQRコードの提示だけで手続きを完了。最寄りのモニタリングポストの空間線量なども確認できる。行政側は住民の避難状況をシステムで管理し、安定ヨウ素剤の服用タイミングや災害情報を通知できる。
　アプリは県ホームページなどから無料でダウンロードし、住民情報を登録して利用する。アプリを利用する家族や友人の情報と関連づけることで、別々に避難したお互いの状況をスマートフォンで確認できる。
　県は原発30キロ圏の9市町と毎年実施する防災訓練などでもアプリを活用する方針。県原子力安全対策課は「多くの人にダウンロードしてもらいたい」としている。