[2022_03_25_02]日向灘・南西諸島M8級地震の恐れ 今後30年長期評価 政府調査委(毎日新聞2022年3月25日)
 
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日向灘・南西諸島M8級地震の恐れ 今後30年長期評価 政府調査委

 政府の地震調査委員会(委員長=平田直(なおし)・東京大名誉教授)は25日、日向(ひゅうが)灘(なだ)と南西諸島海溝周辺で今後30年以内に起きる可能性がある地震の長期評価を公表した。マグニチュード(M)7級の規模の地震について、日向灘での発生確率を80%、沖縄・与那国島周辺は90%以上と評価し、高い確率になった。両地域とも、発生確率は「不明」としながらもM8程度の地震が起きる恐れがあることも示した。
 また、南西諸島海溝周辺では、M7・4の地震で約30メートルの大津波が先島諸島を襲った「八重山地震津波」(1771年)のように、地震の規模から想定される以上の大津波が発生する可能性があると指摘した。
 前回の長期評価の公表は2004年で、11年の東日本大震災の発生を受けて見直した。今回評価した地域に隣接した東海―九州沖の南海トラフでは、今後30年以内にM8〜9級の巨大地震が70〜80%の確率で発生すると考えられている。
 また地震調査委は、鳥取―長崎沖にある日本海南西部の海底活断層で起きる地震についても長期評価を公表した。海底の活断層は陸域に比べて調査が難しく、長期評価の公表は初めて。M7以上の地震が30年以内に起こる確率は8〜13%とした。平田委員長は「海底の断層でも地震が起き、津波が来ることを認識してほしい」と注意を呼びかけた。
 日本海南西部の海底活断層の東部には、この海域で最大となる長さ94キロの伯耆(ほうき)沖断層帯があり、M7・7〜8・1の地震が起きる可能性があるという。M7以上の地震が30年以内に起きる確率は東部が3〜7%、中部が3〜6%、西部が1〜3%だった。【垂水友里香】
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