[2022_03_08_03]東電賠償さらに3件確定 原発避難訴訟 500人超に11億円(産経新聞2022年3月8日)
 
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東電賠償さらに3件確定 原発避難訴訟 500人超に11億円

 東京電力福島第1原発事故で避難した福島県の住民らが東電に損害賠償を求めた3件の集団訴訟をめぐり、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は、東電の上告を退ける決定をした。500人超に国の指針を上回る総額約11億円を支払うよう命じた2審判決が確定した。決定はいずれも7日付で、裁判官5人全員一致の結論。詳しい理由は示されていない。
 3件は、避難指示区域となった福島県南相馬市小高地区の住民が東京地裁に起こした訴訟▽避難指示区域外だった福島市などの住民が福島地裁に起こした訴訟▽南相馬市などの住民が福島地裁いわき支部に起こした訴訟−。
 小高地区の訴訟では、2審東京高裁が、生活基盤が大きく変容したことに対する慰謝料を認めて、約300人に約3億6千万円を支払うよう命じた。避難指示区域外の訴訟では、2審仙台高裁判決が、東電が指針に基づき払った一律8万円を上回る1人30万円の慰謝料を認めるなどした。
 この日、東京都内で記者会見した避難指示区域外訴訟の代理人、野村吉太郎弁護士は「(事故から11年となる)3月11日が近づいてきて、最高裁が東電に対し『いいかげん争うのをやめ、責任を取りなさい』というメッセージを送ったのではないかと思う」と話した。
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