[2021_12_20_01]茨城・東海村 原発、六つの提案議論 情報共有や避難計画 村民、最後の会合(茨城新聞2021年12月20日)
 
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茨城・東海村 原発、六つの提案議論 情報共有や避難計画 村民、最後の会合

 日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村白方)の再稼働問題を巡る住民意向把握の一環で、村民が原発問題を議論する同村主催「自分ごと化会議」の最後の会合が19日、同村舟石川駅東の村産業・情報プラザ(アイヴィル)で開かれた。原発に関する正確な情報を村民と村、事業者が共有できるようにすることや広域避難計画整備など、原発問題を考えてもらう六つの提案を議論。参加者から出た意見を反映した提案書は、来年1月にも山田修村長へ提出する。
 同会議を運営する構想日本(東京)がまとめた提案書案にはほかに、東海第2の安全対策や事故リスクの丁寧な説明▽原発があることによる村の特徴や魅力を知る▽廃炉後を見据えたまちづくりを考える▽原発の賛成反対に関係なく多くの村民が議論ができる場作り-が記載された。
 各提案を実現するため、村民や行政、原子力事業者らが取り組むべき具体的な行動もまとめた。
 会合には15人が参加。原発に関心がない人の興味を引く情報発信の方法を考えることや、提案が机上の空論にならないよう各当事者の取り組みを確認していく体制作りが必要といった声があった。原発がなくなった際、村の財政や行政サービスにどのような影響が出るかシミュレーションすることを求める意見も出た。
 同村豊岡、自営業、吉田信男さん(46)は「原発の賛否を判断することは難しいという思いを率直に言えたこと、多くの村民の考えを知れたことは良かった。提案書も自分の思いが反映されたと思う」と安堵(あんど)の表情を見せた。
 同会議は昨年12月から始まり、無作為抽出で選ばれた村民25人が東海第2の再稼働の賛否は議論せず、原発の課題や疑問を自由に話し合った。過去4回の会合で東海第2があることの利点と欠点、原発とまちづくりなどをテーマに議論し、東海第2と東京電力福島第1原発の視察もした。
 会合後、山田村長は「参加した村民が積極的に発言し、関心を持ってもらったことは成果。今回の議論が無駄にならないよう、提案を生かしたい」と話した。
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