[2021_12_04_05]「浜岡 最大津波高22.5m提示へ」中部電力防潮堤越える想定 「今さら言うな!」安全対策に住民の不安募る− 中部電力の対策はいいかげん 運転停止から10年半、中電の浜岡原発維持費が1兆円超え 御前崎市の危険な動き 沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)(たんぽぽ舎2021年12月4日)
 
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「浜岡 最大津波高22.5m提示へ」中部電力防潮堤越える想定 「今さら言うな!」安全対策に住民の不安募る− 中部電力の対策はいいかげん 運転停止から10年半、中電の浜岡原発維持費が1兆円超え 御前崎市の危険な動き 沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)

 11月29日「浜岡 最大津波高22.5メートル提示へ」と大きな見出しが地元紙の一面を飾った。
 中部電力(以下、中電)が原子力規制委員会の審査会合に提示することを決めた。福島第一原発震災を受けた政府の運転停止要請による全炉停止から10年半。
 中電が安全性向上対策工事として建設した防潮堤(海抜22m)を津波が越え、構内の一部が浸水する想定になる。
 中電は越流に備えた多重の津波対策があり、追加対策は必要なく、今後新規制基準に適合するかどうか議論したい考え、規制委の判断を待つ。
 そもそも中電は、福島第一原発事故直後、浜岡原発と海の間にある砂丘は、他の原発にはない天然の「堤防」と言って、海抜10〜15メートルの立地条件を半ば自慢し、私たちの不安を一蹴した。
 その後、最大津波高を20.3メートルとし、砂丘の強度も指摘され、その砂丘に加え防潮堤を建設したではないか。
 その場限りとも言える中電の安全対策に、私たち住民の不信感は募る一方で、「何を今さら言っているのだ!」と怒りに震えた。
 運転停止から10年半、この間、中電の浜岡原発維持費が総額で1兆円を超えた。
 巨額の安全対策費は、私たち国民や消費者が支払う電気料金・税金に跳ね返ることになる。
 原発の経済性を研究している龍谷大学の大島堅一教授は、浜岡原発の3ー5号機が仮に今すぐ再稼働した場合、1キロワット時間当たり3号機21.0円、4号機14.3円、5号機12.1円で、国が2015年に発表した原発の発電コスト10.1円を上回ると試算し、再稼働が遅れるほど「発電コストは上昇する」と分析、浜岡原発が経済的に成り立たなくなっていると指摘した。
 中電の原発依存度は10%と他会社と比べ一段と低い、世界一危険な浜岡原発を巨額な資金を投入し、再稼働することは許されないことなのです。
 本年6月の静岡県知事選挙では、リニア工事から南アルプスの「命の水を守る」ことを大きな争点に川勝知事は四選(〜2025年まで任期)を果たした。
 この間知事は、浜岡原発再稼働は核のゴミ問題と避難計画の実効性を指摘し、「任期中の再稼働は認められない」との発言を続ける。
 県知事選・国政選挙での知事の失言演説が続き県政は混乱、その背景には川勝知事にストップをかけたい勢力の存在が見え隠れする。
 浜岡原発の再稼働は「ここ数年がヤマ場」と中電社長は発言、次回の知事選が大きな意味を持つことになろう。
 原発立地の御前崎市は市財政逼迫(原発マネーの減少・公共施設維持費高騰などが原因)の中で、原発の再稼働交付金が喉から手が出るほど欲しい。
 市長は「今は再稼働を議論する段階ではない」と発言しながら資源エネルギー庁には数回訪問陳情している。
 市議会議員全員と町内会長全員が青森県六ケ所村の再処理施設の視察をするなど原発再稼働への体制作りに余念がない。
 福島第一原発震災は原発が人類の生存に相いれないものだと言う警鐘になった。その一方で、政府・自公政権は原発に依存した電力供給、再稼働の政策を変更しようとしない。
 マスコミを通じた宣伝により、国民の原発に対する懸念や反対する意識が弱められ、危険な原発の存在を許してしまう状況が生まれている。
 福島の痛みを忘れたかのような地元経済のみを優先する立地市の姿勢は許されることではなく、原発は命の問題であることから浜岡原発の再稼働は認められないと引き続き「原発反対・原発ゼロの社会の実現」を目指し、運動を強化していく。
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