[2021_11_01_02]韓国政府、小型原発は国内建設せず輸出のみ方針(THE KOREA ECONOMIC DAILY2021年11月1日)
 
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韓国政府、小型原発は国内建設せず輸出のみ方針

 韓国政府が、小型モジュール原発(SMR)商用化技術を開発しても、輸出用だけとし、韓国国内にはSMR原発を建設しないことを決めた。脱原発政策基調を従来の原発だけでなくSMRにも適用することにしたのだ。原子力業界は「自分は使わないで他人には売るというのは常識に反する」と反発している。
 1日、政府と業界によると、産業通商資源部(産資省)と科学技術情報通信部(科技省)が今年9月に5832億ウォン(約5832億ウォン)規模の革新型小型モジュール原発開発事業の予備妥当性調査を申請し、事業目的に「輸出のための開発」と明示したという。数千億ウォンを投資して革新型技術を開発しても、国内では使わないという意味だ。政府関係者は「i-SMRは海外輸出のため技術開発に乗り出した」とし「SMRを含め新規原発は作らないという政策基調には変わりがない」と述べた。韓国政府は、i-SMRに対する実証も国内ではなく、海外で行う方針だ。
 今回のi-SMRイェータは10月末、技術性評価をパスした。来年2月までに経済性評価が完了すれば、予算案に反映される。23年から技術開発に入り、29年からは商用化に乗り出すのが目標だ。政府は3986億ウォンを支援し、韓国水力原子力を含む民間企業が1846億ウォンを投資する。革新技術開発(2410億ウォン)は政府が主導し、設計(2282億ウォン)と製造技術(1140億ウォン)分野は政府と民間が半分ずつ負担することにした。民間企業の中では斗山(トゥサン)重工業、暁星(ヒョソン)重工業、ビーエイチアイなどが参加する。
 SMRは発電量300メガワット以下の原子炉を持つ小型原発だ。工場式生産が可能で、建設期間を短縮することでコストを削減できる。また、放射能流出の可能性も、今の1000分の1のレベルへと大幅に下げられるというのが、原発業界の主張だ。 発電用水が少なくて海岸でない内陸にも建設が可能だ。
 韓国は12年、世界初のSMR・スマート原発の開発に成功した。しかし、経済性などを理由に、まだ商用化に乗り出すことができなかった。文在寅政権発足後、脱原発政策が本格化し、事実上技術が死蔵された。一方、米国や英国、ロシア、サウジアラビア、日本、中国など18か国で、76社がさまざまな炉型のSMRを研究している。特に、20年、米ニュースケールパワーがSMR設計審査をパスし、技術競争が本格化している。ニュースケールパワーのSMRは、原子炉モジュールを水槽に浸かるようにし、外部衝撃にも放射線漏れの危険を大幅に減らしたのが特徴だ。
 原子力業界はi-SMR開発を歓迎しながらも、「国内に建設していない原発を海外に輸出するという政府の発想自体が常識に反する」と反発している。チュ・ハンギュソウル大学原子核工学科教授は「政府がぐずぐずしている間にSMR先頭国家だった韓国の地位が地に落ちた」とし「今からでもSMRを国家エネルギー計画に含めるなど脱原発ドグマから抜け出さなければならない」と述べた。
記者 イ・ジフン
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