[2021_10_13_02]経産省、太陽光・風力の小規模発電施設の規制強化 所有者届け出など(毎日新聞2021年10月13日)
 
参照元
経産省、太陽光・風力の小規模発電施設の規制強化 所有者届け出など

 経済産業省は、太陽光や風力による小規模な発電施設に対する規制を強化する。使用前の安全確認や、所有者や委託業者に関する情報の国への届け出を義務付ける。再生可能エネルギーは政府の促進策で普及が進む一方、規制が緩い小規模発電施設は自然災害で故障したり、周辺の土砂崩れが懸念されたりするトラブルが目立ち始め、対策が急がれていた。
 経産省の審議会で13日、こうした方針がおおむね認められた。法改正が必要となり、今後調整に入る。住宅の屋根に設置されているような設備容量10キロワット未満の太陽光発電施設は、規制強化の対象外とする。
 太陽光は50キロワット未満、風力は20キロワット未満の設備容量ならば、国家資格を持つ保安技師の定期点検が免除されるなど規制が比較的緩い。だが、小規模でも設置場所や工法次第では強風や土砂崩れによって事故を起こす恐れがあり、4月から小規模施設の事故報告が義務化された結果、9月末までに施設の破損など58件が報告されている。
 そこで免除されていた使用前の安全確認については、大規模施設と同様に義務付ける。保安技師の選任は引き続き免除するものの、所有者や場所、運営管理の委託業者などに関する基礎情報を国に届け出る仕組みを新設する。
 これは事故や違反があった場合に備えて、国や自治体が事前に施設の関係者を把握しておくためだ。経産省のホームページで公開されている施設の場所は、地番でしか記されていない。
 経産省が小規模太陽光発電施設の所有者に実施した調査では、自ら新設したのではなく、既存設備を購入したケースが2割あった。そのため、基礎情報の届け出は所有者変更の場合にも求める方向だ。
 2011年の東京電力福島第1原発事故を受け、政府は再エネを対象にした固定価格買い取り制度(FIT)を12年に導入した。この結果、設置の容易な太陽光発電施設が増加。20年6月末にはFITの導入件数は約63万件に上り、その9割以上を10キロワット以上50キロワット未満が占める。【岡大介】
KEY_WORD:再生エネルギー_:FUKU1_: