[2021_09_08_04]「風評被害リスクある限り放出の決断しない」 福島第一原発「処理水」海洋放出で高市氏 自民党総裁選 (東京新聞2021年9月8日)
 
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「風評被害リスクある限り放出の決断しない」 福島第一原発「処理水」海洋放出で高市氏 自民党総裁選

 自民党の高市早苗前総務相は8日、総裁選への立候補を表明した記者会見で、東京電力福島第一原発で保管が続く汚染水を浄化処理した後の水の海洋放出について、「風評被害を広げる可能性がある。そのリスクがある限り放出の決断はしない」と述べた。政府は4月13日、「処理水」を海に放出する処分方針を決定。政府と東電が放出の具体的な方法と風評被害対策の準備を進める中、高市氏は菅政権とは異なる見解を示した。
 処理水放出について問われた高市氏は「処理水の放出(方針決定)は大変驚いた」とし、2015年に政府が福島県漁連に「関係者の理解なしには、いかなる処分も行いません」と約束した文書の出し主が、当時経産相が海外出張のため一時的に代理した総務相だった自身の名前になっていたと説明。「経産省の職員は総務省に来てないし、私も文書を見ていないが、政府が福島の漁業関係者に約束をした文書です」と述べた。
 その上で高市氏は「私の名前が使われているのもあって非常に強い責任を感じている。地元の理解がないのに軽々に放出、地下トンネルを掘るということだが、本当ならこれ以上の汚染水が発生しないように直接遮水をするという方法もある。他の選択肢も含めてしっかりと考える」と指摘。「福島県だけでなく他の県にも輸入制限をかけている国があるという中で、さらに日本全体に風評被害を広げてしまう可能性がある。リスクがある限り、私であれば放出の決断はしません」と明言した。
 高市氏は自身のホームページで掲載してるコラムでも、4月14日に「福島第1原子力発電所「処理水」の海洋放出決定の手順に疑問」と題して、政府方針決定に疑問を呈していた。(小野沢健太、小川慎一)
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