[2021_05_20_09]桜井・前南相馬市長 那珂市議会の勉強会で講演 「最も有効な避難計画は再稼働しないこと」(東京新聞2021年5月20日)
 
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桜井・前南相馬市長 那珂市議会の勉強会で講演 「最も有効な避難計画は再稼働しないこと」

 東海第二原発から三十キロ圏内に入る那珂市の市議会が十九日、東海第二に関する議員勉強会を開いた。二〇一一年の東京電力福島第一原発事故の際、三十キロ圏の福島県南相馬市のトップとして対応に当たった桜井勝延前市長が講演し、「最も有効な避難計画は、再稼働しないこと」と強調した。
 桜井さんは、一〇年〜一八年に市長を務めた。現在は、全国の市区町村長やその経験者でつくる「脱原発をめざす首長会議」の世話人として活動をしている。
 勉強会には、議員十六人が参加。桜井さんは、福島第一原発で事故が起きた際、政府や東電から情報がなく、避難指示が出た後も市民の避難先が決まっていなかったと振り返った。
 水戸地裁が今年三月、避難計画の不備などを理由に原電に東海第二の運転差し止めを命じた判決にも触れ、「市民は自分の命を守ろうとするので、自治体の言う通りに逃げない。判決で明らかになったように、避難計画は機能しない」と語り掛けた。その上で「最も重要なのは市民の命を守ることだ。命を守ることが問われている」と力を込めた。
 参加した議員からは「事故の情報はどのように入手したのか」「仮に情報があれば、避難の対応は違っていたのか」などの質問があり、桜井さんは「公式発表はなく、警察の無線やテレビで知った」「情報があれば判断しやすかった」と答えた。 (松村真一郎)
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