[2020_12_04_21]玄海原発原告「重く受け止めて」(NHK_佐賀_NEWS_WEB2020年12月4日)
 
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玄海原発原告「重く受け止めて」

 福井県にある大飯原子力発電所の3号機と4号機について、大地震への耐震性が不十分だと原発に反対する市民グループが訴えていた裁判で、大阪地方裁判所は原発の設置を許可した国の決定を取り消す判決を言い渡しました。
 これを受けて、この裁判と同じ争点、同じ弁護団で玄海原子力発電所の設置許可の取り消しを求めている裁判の原告団が記者会見し、来年3月の判決をふまえて「佐賀の裁判長はこの判決を重く受け止めて判決を出してほしい」と求めました。
 関西電力・大飯原子力発電所の3号機と4号機について、関西や福井県などの住民らは「大地震への耐震性が不十分だ」と主張して訴えを起こし、設置を許可した原子力規制委員会の決定を取り消すよう求めていました。
 4日の判決で大阪地方裁判所は、争点となった耐震性の根拠となる基準地震動を算出した際の「ばらつき」の評価について、「審査すべき点を審査していないので違法だ」という判断を示し、原発の設置許可を取り消しました。
 佐賀県や福岡県の住民らでつくる「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」は、この裁判と同じ争点、同じ弁護団で玄海原発3・4号機の設置許可の取り消しを求める裁判を起こしています。
 佐賀地方裁判所で行われた審理では「地震の規模を過小評価している」などと主張していて、判決は来年3月に言い渡される予定です。
 4日記者会見した住民団体の代表で、原告団長の石丸初美さんは「基準地震動の『ばらつき』を考慮した国が原発を止めなさいと言った。自分たちの訴訟もそこが中心であり3月の判決も影響が大きいと確信している」と述べました。
 その上で、佐賀地方裁判所に対しては「きょうの大飯原発の判決を重く受け止めて判決を出して欲しい」と求めました。
 大飯原子力発電所をめぐる今回の判決について、玄海原子力発電所を運転する九州電力は「当社は本件の当事者ではないためコメントする立場にはない。当社が関わる訴訟については、裁判所の指揮に従いつつ主張を十分に尽くし、原子力発電の安全性についてご理解いただけるよう引き続き真摯に対応していきたい」と話しています。
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