[2020_10_23_06]福島第1原発3号機内部、毎時108ミリシーベルト 規制委が調査映像公開(毎日新聞2020年10月23日)
 
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福島第1原発3号機内部、毎時108ミリシーベルト 規制委が調査映像公開

 原子力規制委員会は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故について調べるため、2号機と3号機の内部に入った時の映像を公開した。
 2号機では原発事故の時、原子炉の炉心が溶け落ちた。ただ、水素爆発は起きず、天井や壁が今も残ったままだ。このため、外に漏れ出さなかった放射性物質による内部の汚染が、他の建屋より深刻とみられている。更田豊志委員長らは原発事故により、原子炉建屋内で放射性物質がどのように広がったのかを調査する一環で、10月8日に内部に入った。
 更田氏らは、防護服や全面マスクを装備し、通常時は燃料の交換などを行う原子炉建屋5階から中に入った。真っ暗な建屋内をヘッドライトの明かりを頼りに進み、階段を下りて下層階を約20分間調査した。配管付近の放射線量を測定したり、床面の細かなちりを試料採取したりしたという。計測された線量は、最大で1時間当たり約15ミリシーベルトだった。
 一方、3号機では水素爆発が複数回起きた可能性について分析するため、規制委の事務局を担う原子力規制庁の職員が9月18日に内部を調べた。爆発が激しく線量が高いため立ち入りできない4階部分を、さおに取り付けたカメラや線量計などで状況を見て、はりや柱の損傷具合を確認した。計測された線量は、最大で1時間当たり約108ミリシーベルトだった。
 規制委の事故分析検討会は今回の調査を踏まえ、年内には中間報告をまとめる方針だ。【塚本恒】
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