[2020_10_23_02]“処理水処分方法決定”11月以降に延期へ(福島県)(テレビユー福島2020年10月23日)
 
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“処理水処分方法決定”11月以降に延期へ(福島県)

 福島第一原発にたまり続けるトリチウム処理水の処分方法について、政府はこれまで進めていた10月中の決定を断念し、11月以降への延期を決めました。福島第一原発にたまり続けるトリチウム処理水の処分方法について、政府はこれまで10月27日にも関係閣僚会議を開き、海への放出を決める方針で調整を進めていました。しかし10月23日…

【梶山経産相】「27日に政府方針の決定はしません。これまで政府決定方針時期を対外的に明らかにしたことは一度もございません。具体的な決定のタイミングを今お伝えできる段階にはありません」
政府は処分方法について寄せられた意見などを整理した結果、10月中の決定を断念。11月以降に延期することを決めました。こうした動きに漁業者からは…

【福島県漁連・野崎哲会長】「(本格操業への議論に】私は影響させたくないと思っています。(処理水を)流されれば、本当に大きな問題に漁業者にとってはなると思うので、反対であるという太刀筋に変わりはありません。」

【福島県いわき市・三浦孝一さん】「頭越しにやるって強い口調で言ったのがころっとね、変わったでしょ。そうなると漁民をないがしろっていうのかな、もて遊んでいるように受けるよね。流せば風評は必ず出るからね。生業が成り立つような施策をしてもらいたいわね」
 決定に先立ち政府は23日、総理官邸で会合を開き、一般から寄せられた意見などについて整理しました。それによりますと、寄せられた意見およそ4千件のうち、半数以上が安全性を懸念するものであったほか、「結論ありき」などと指摘する合意プロセスの懸念も3分の1以上ありました。このほか風評への懸念がおよそ1000件。「分離技術ができるまで待つべき」などの処分方法などの提案も、およそ2000件寄せられました。また政府は、これまで続けてきた意見聴取を打ち切り、今後はこの意見などをもとに、処分方法や風評対策について検討を進めることにしています。

【梶山経産相】「仮に何らかのALPS処理水を処分する場合には、風評被害を受けうる方々に寄り添った上で、国が前面に立って風評払拭に取り組んでいく必要があると考えています」
 また風評対策については、処分方針を決めた後に関係者を集めて話し合いを進める方針で、メンバーなどは今後、決めていくということです。一方福島県いわき市では23日、県内漁業の復興に向けて話し合う漁業復興協議会が開かれ、県漁連のほか国や県の担当者らが出席し、4月からの本格操業に向けた話し合いが行われました。会議では、本格操業に向けてエリアごとに分け、段階的に規制を解除する案などが話し合われました。また参加者から、処理水の処分方針についても言及が相次ぎました。

【福島県漁連・野崎哲会長】「トリチウム水の問題につきましても国のご判断等が関わるものなので、私の考えとしては漁業をやめるという選択はないし、漁業を続けることが最大限の国の判断に対する抗議になりえると思いますので」

【福島県いわき市漁業協同組合代表理事組合長・江川章さん】「末端の漁民の声はまだまだ経済産業省でも国の方でも聞き取れる部分があるのかなと考えています」

延期を決めた政府が、引き続きこうした声にどう向き合っていくかが注目されることになります。
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