[2020_10_09_07]原発事故汚染処理水「海洋放出で風評被害必至」全漁連会長ら国に反対意見 福島(毎日新聞2020年10月9日)
 
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原発事故汚染処理水「海洋放出で風評被害必至」全漁連会長ら国に反対意見 福島

 東京電力福島第1原発にたまり続ける汚染処理水の処分方法について、東京都内で8日にあった国が関係者の意見を聞く会合。7回目のこの日、出席した全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と、福島県水産加工業連合会の小野利仁代表はいずれも処理水の海洋放出に強く反対した。
 全漁連は今年6月にも海洋放出に反対する特別決議をしている。岸会長は処理水について「原子炉建屋に入った汚染水を浄化処理して保管しているもので、(建屋に入る前の地下水をくみ上げて外に排出する)地下水バイパスの水とは異なる」と強調。多くの国で日本産の水産物の輸入規制が続いているとして「海洋放出が行われれば風評被害の発生は必至。海洋放出は絶対反対」と述べた。
 鮮魚出荷業者や加工業者などで構成する県水産加工業連合会の小野代表は「本格操業へと向かう時期に、風評が蒸し返されるのではと不安な日々を送っている」と話し、海洋放出に反対した。国側から「どのような放出方法でも反対か」と問われ、「流すと決まれば風評(被害の発生)は目に見えている。断固反対する」と答えた。
 座長を務めた江島潔副経済産業相は会合後の取材で「意見を整理し、できるだけ早期に結論を出したい」と話した。【渡部直樹】
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