[2020_10_01_06]北海道の鈴木知事、核ごみ反対トーンダウン 国や自民道議の反発影響(北海道新聞2020年10月1日)
 
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北海道の鈴木知事、核ごみ反対トーンダウン 国や自民道議の反発影響

 鈴木直道知事は30日の道議会予算特別委員会の総括質疑で、後志管内寿都町が高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定過程への応募の是非を8日にも決断すると表明したことに対し、「道の(核抜き)条例を順守し、慎重な判断を」と従来通りの発言を繰り返した。知事は寿都町の応募検討が判明した直後は強く反対の論陣を張ったが、国や道議会自民党会派の反発を受け、無難な発言にトーンダウンしている。
 道議会予算特別委では、民主・道民連合と北海道結志会、共産党の3会派が核のごみに関して質問した。民主の沖田清志氏(苫小牧市)が応募への反対を求めたの対し、知事は「文献調査は条例の趣旨と相いれない」と述べるにとどめた。
 知事は問題が表面化した直後の8月には、巨額の交付金を示して応募を募る国の対応を「頬を札束でたたくやり方だ」などと痛烈に批判。周辺町村や漁協とも連携し反対を訴えたが、9月からの定例道議会では新たな発言を控えている。
 背景には、道議会与党である自民党会派からの反発や新たな対策が打ち出せない道側の事情がある。原発推進派を抱える自民会派は「知事が市町村に口を出すのは地方自治に対する侵害」などと知事を批判。国と道との議論もかみ合わない。知事と梶山弘志経済産業相との会談では梶山氏から「調査では核のごみを持ち込まない。核抜き条例には反しない」と反論された。
 ある道議は「知事は手をこまねいているばかり。最終処分場建設に反対なら、本気で対応を考えるべきだ」と語った。
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