[2020_08_06_04]経産相 一問一答 「地域の雇用、産業支える」 再処理の利点強調(東奥日報2020年8月6日)
 
 核燃料サイクル政策について5日、本紙取材に応じた梶山弘志経済産業相は、全量再処理を遂行するとした上で、立地地域や周辺の雇用、産業創出を支援すると語った。主な一問一答は次の通り。
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 ー「再処理工場が新規制基準の適合性審査に合格した。

 「サイクル政策の中核施設が合格したことは大きな前進。日本原燃は安全確保を最優先に、完成へ最善の努力をしてほしい」

 −サイクルと全量再処理の方針は変わらないか。

 「サイクルのメリットは高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度低減、使用済み燃料再利用などがある。エネルギー基本計画でも政策をうたっており、しっかり遂行していく」
 「サイクルは資源小国の日本に必要。ウラン濃縮も他で作っているものではなく、自分たちの技術で作り自信を持ってやっている。世界的には原子力からの撤退や合従連衡などがあるが、日本は取り組んできた技術を完成させていく。いろいろな形へ派生する技術もあり、例えば下北半島に新たな産業ができる可能性もある」

 −本県との覚書があるので国はサイクルを止めないのでは、との論調がある。

 「約束があるからというより日本の政策としてサイクルを採っている。各原発サイトで、全体容量のかなりの割合を占めている使用済み燃料を減容するためにも再処理する」

 ー本県はむつ小川原開発地区で巨大開発構想が挫折した経緯があり、県民に国策への懸念がある。

 「政策責任者としてしっかり取り組む。知事はじめ立地自治体の首長は、心配しつつも国策に協力している自負がある。再処理工場を動かすこと、周辺を含め地域に雇用や産業ができることを支援し、手伝い、一緒に歩みたい」
 「稼働まで少しブランクがあるが、人が働き、仕事ができてくれば、立地地域が当初描いたもの(ビジョン)になっていくと思う」てきた原燃は2021年度上期の完工目標を示すが、厳しいとの見方が強い。
 「今回は事業スタートが見えている。立地の時の先人の苦しみと受け入れた地元の判断や厳しさを思い出し、仕事に精励してほしい」
(聞き手・佐々木大輔、若松清巳)
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