[2020_07_31_04]再処理工場ガラス固化工程 「完工前に動作確認」 原燃社長(東奥日報2020年7月31日)
 
 日本原燃の増田尚宏社長は30日、青森市の青森地域共生本社で会見し、六ヶ所再処理工場(六ヶ所村)のアクティブ試験(最終試運転)で不具合が続発したガラス固化の工程について、完工前に何らかの方法で動作確認する方針を示した。完工までに行う一連の手続きの中でどのように位置づけるかは今後、考え方を整理するとした。
   (加藤景子、藤林全晴)

 ガラス固化は、原発の使用済み核燃料を再処理する過程で発生する高レベル放射性廃液を、溶かしたガラスと混ぜて廃棄物にする重要な工程。2006年に始まったアクティブ試験では、この工程でトラブルが相次ぎ、原燃がガラス固化試験を終えたのが東日本大震災後の13年だった。新規制基準施行前の段階で、再処理工場はガラス固化を除き国の検査を終えていた。
 こうした経緯を踏まえ、増田社長は「再処理工場全体を稼働させるためには必須の条件。ガラス固化の動作の確認は間違いなくやっていく」と話した。
 一方、本年度から新たな検査制度が導入され、工場の使用前には事業者が自ら性能などの検査を行い、国の確認を受ける必要がある。増田社長はガラス固化の検査・確認について「新制度に置き換えて良いのか、旧法通りやる必要があるか、原子力規制庁とまだ合意できていない」とした上で「われわれとしては新法の事業者検査で確認するべきものと考えている」と見解を述べた。
 21年度上期の完工目標については「簡単ではないがあきらめてはいない」と語った。
 増田社長は30日午前、三村申吾知事に審査合格を報告。午後には六ヶ所村役場を訪れ、戸田衛村長に同様の報告をした。戸田村長は「今後予定している工事に全力を注ぎ、完工に向けて予断を持たずまい進していただきたい」と要請、終了後の取材にも「計画通りの完工に期待したい」と損ねて強調した。
KEY_WORD:ROKKA_:HIGASHINIHON_: