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浅間山 噴火警戒レベル2に引き上げ 火口から2キロで警戒を
　長野と群馬の県境にある浅間山では、山の膨張を示すと考えられる地盤の変動が続いているほか、火山性地震が増加するなど火山活動が高まっているとして、気象庁は、25日午後、火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2に引き上げました。今後、小規模な噴火が発生する可能性があるとして、火口からおおむね2キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。
　気象庁によりますと、長野と群馬の県境にある浅間山では今月20日ごろから山の膨張を示すと考えられる地盤の変動が続いているほか、地下の浅いところを震源とする火山性地震が増加し、24日は59回、25日は午後2時までに69回観測されました。
　監視カメラで確認できる範囲では、噴煙などの状況に変化はみられないということです。
　気象庁は、浅間山では火山活動が高まっていて、今後、山頂火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があるとして、25日午後3時に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを「火口周辺規制」を示す2に引き上げました。
　山頂火口からおおむね2キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。
　浅間山では、去年8月7日に噴火警戒レベル1の状態で小規模な噴火が発生し、一時、噴火警戒レベルが「入山規制」を示す3に引き上げられましたが、去年11月以降はレベル1が続いていました。

群馬 嬬恋村 住民に注意呼びかけ

　浅間山の噴火警戒レベルが2に引き上げられたことを受けて、地元の群馬県嬬恋村は25日午後3時すぎ、今後の気象庁などの情報に注意するよう、防災行政無線で住民に呼びかけました。
　気象庁が、噴火に伴う噴石などに警戒を呼びかけている火口からおおむね2キロの範囲には、通行止めとなる道路などはなく、住民の生活や観光などに大きな影響はないということで、村は気象庁や専門家などと連絡を取り合いながら、推移を見守ることにしています。
　嬬恋村の熊川栄村長は「今後も何かあれば、すぐに村民に報告するので、安心して農業や観光振興に励んでほしい」と話していました。

長野 軽井沢町 観光への影響を心配する声

　浅間山の噴火警戒レベルが2に引き上げられたことを受けてふもとの長野県軽井沢町では、地元の人から観光への影響を心配する声が聞かれました。
　町の玄関口、軽井沢駅では、構内にある通路に浅間山の噴火警戒レベルが2に引き上げられたことを知らせる看板が設置されました。
　また、町では防災行政無線を使って噴火警戒レベルが引き上げられたことを呼びかけていました。
　多くの商店や飲食店が建ち並ぶ旧軽井沢銀座通りでは店の経営者や従業員から観光への影響を心配する声が聞かれました。
　タピオカドリンクの店を経営する男性は「噴火警戒レベルが上がったことは知りませんでした。観光への影響を考えると、1日も早くレベル1に下がってほしいです」と話していました。
　また、土産用の菓子などを販売する店の男性従業員は「新型コロナウイルスの影響で観光客が減っていました。移動の規制が緩和されてやっと客足が戻りつつある中、噴火警戒レベルの引き上げは、観光客の足がまた遠のいてしまわないか心配です」と話していました。

長野 小諸市 登山道への立ち入り制限

　浅間山の噴火警戒レベルが「2」に引き上げられたことを受けて、ふもとの長野県小諸市では登山道への立ち入りを制限するなどの対応を取るとともに、対策本部会議を開き、観光への影響などについて話し合いました。
　噴火警戒レベルの引き上げを受けて、小諸市にある登山口では、噴火警戒レベルを知らせる看板が「1」から「2」にかけ替えられました。
　また、小諸市役所では、午後3時半から市や警察、消防などによる緊急の対策本部会議が開かれ、市の担当者が登山道の火口から2キロの場所にロープを張って立ち入りを制限したほか、25日、小諸市の登山口から山に入ったことが確認されている人は全員下山したことなどを報告しました。
　会議では、田中尚公副市長が「新型コロナウイルスで打撃を受けた観光業や宿泊業のＶ字回復に向けて取り組んでいる中での引き上げで、影響を危惧している」と述べました。
　市によりますと、移動の制限が全国で緩和されて初めての週末となった今月20日と21日には、小諸市側から1日当たりおよそ400人の登山者が訪れていたということで、市では安全対策を図りながら観光客の誘致をどう進めるか検討することにしています。
　小諸市の小泉俊博市長は「登山の規制が行われると、小諸市や周辺全体が危険だと思われてしまうが、市としても十分注意を払っていくので、安全に楽しめるところで観光を楽しんでもらいたい」と話しています。