[2020_06_25_01]不祥事続いた関電の株主総会 株主から金品受領問題や企業体質などへ厳しい批判(読売テレビ2020年6月25日)
 
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不祥事続いた関電の株主総会 株主から金品受領問題や企業体質などへ厳しい批判

 関西電力は25日、役員らの金品受領問題や、報酬補てん問題などが相次いで発覚して、初めての株主総会を大阪市内で開いた。株主からは、厳しい批判が相次ぎ、3時間を超える総会となったが、取締役選任など会社側提案は全て可決された。
 関西電力の株主総会は、新型コロナウイルスの感染防止策として、株主には、来場の「自粛」を呼びかけ、座席の数も8割減らした。そんな中でも、約300人の株主が出席した。
 役員らが、福井県高浜町の元助役から、約3億6千万円相当の金品を受け取っていた問題や、東日本大震災と福島第1原発事故の影響でカットしていた役員報酬のうち、約2億6千万円をひそかに補てんしていた問題など、企業の信頼を揺るがす不祥事が相次いで発覚してから初の株主総会となった。
 昨年の株主総会の開催時期には、内部調査で金品受領問題の実態を把握していたにも関わらず、その事実を公にはしていなかった。
 一般株主の女性は「去年の株主総会のときに分かってたわけやんか、いろいろ。原発マネー。一言も株主に言わんと」。男性は「市民には考えられないお金が動いてるということで、そういうのを聞いていきたい」と話していた。
 筆頭株主である大阪市の代理人、河合弘之弁護士は「原発マネーの不正還流事件を反省して、解体的出直しをする覚悟があるのかどうかそこをよく確認してほしいと」語り、入場した。
 会場に来られない人に向け、インターネットでの中継も行われる中、始まった株主総会では、森本孝社長が冒頭に「当社の役員等が金品を受け取っていた問題では多大なご心配をおかけして、株主への皆様には深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
 関西電力は、取締役13人のうち過半数を超える8人を社外取締役とする議案などを提案。金品受領問題を調査した第三者委員会に「内向きだ」と指摘された企業体質の改革を自ら訴えたが、株主からは、厳しい批判の声が上がった。
 株主は「関電は都合の良いことは公表しても、都合の悪いことは隠ぺいしようとする。表と裏で全く違うことをしていると世間は見ている」「情報開示を経営の柱にすることなく、新たな関西電力発足への、市民の信頼を得ることが出来ません」などの意見を述べた。
 さらに、女性株主は「黒字になった途端にあなた方は、配当を増やすでもなく、電気代値下げするでもなく、真っ先に自分たちの報酬を補てんした。恥ずかしくないですか?補填したお金は返したといいますが、この間の取締役報酬3年分、全部返してください」と厳しく迫った。
 経営情報などの開示や、脱原発などを訴えていた大阪市の代理人・河合弁護士は「経営情報は原則すべて開示せよ。地元に汚いお金まかないと、原発ができない。今回で分かった。原発やってるかぎり、また同じこと起きる」と訴えた。
 これらに対しては、副社長が「役員および従業員がユーザー目線で考え、行動することを実践できる健全な組織風土を醸成していきます」と述べた。
 大阪市などの株主提案は、反対多数で否決されたのに対し、関西電力が示した取締役の選任案などは可決された。
 松井一郎・大阪市長は「関西電力というのは、公共料金・電気料金なので。離れたくても離れられない顧客がたくさんいる。それだけ優位な立場で商売をしているわけで。ぜひ、消費者・ユーザー目線で信頼される会社に生まれ変わってもらいたい」と話していた。
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