[2020_06_23_07]県民投票条例案 継続審議求め要望書 中高生も全会派に (東京新聞2020年6月23日)
 
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県民投票条例案 継続審議求め要望書 中高生も全会派に

 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案が二十三日の県議会本会議で否決される見通しとなったのを受け、条例制定を直接請求した住民団体「いばらき原発県民投票の会」は二十二日、継続審議の要望書を全県議に送った。
 文書は五十九人の県議全員に宛て、ファクスで送信。「今回の審査過程にはまだ多くの疑問点や問題が残っている」として、次回定例会で引き続き議論を深めるよう促している。
 疑問点の一例に挙げたのが、十八日に開かれた防災環境産業と総務企画両委員会の連合審査会で、いばらき自民の白田信夫氏(桜川市)が述べた「民間企業の行く末を議会が決定することの矛盾や、賠償等の法律上の懸念もある」との意見だ。
 この発言に対し、文書は「再稼働に県が不同意を表明した場合、賠償等の法律上の懸念があるということか。もしそうなら、県には実質的に同意権はないことになり、県民の意見を聞く方法を議論すること自体が無意味になる」と疑問を呈する。
 白田氏が一方で、県民の意見を聞く必要性自体は認めていることと整合しないとも指摘し、「どう理解したらよいのか」と説明を求めている。
 一方、水戸市と茨城町の女子中高生三人でつくるグループ「U(アンダー)18花かんむり」も二十一日、継続審議を働き掛ける手紙を県議会の全会派に送った。五つの会派と五人の無所属議員に宛てたものを、県議会事務局に速達で郵送。事務局総務課は「各会派のブースに届けた」としている。
 手紙は、原発問題に多くの人が向き合い決定に参加する必要性を訴え、「このまま終わってしまってはいけない」とつづっている。
 このグループは、五月に条例制定が直接請求された際も、条例案への賛成を求める手書きの手紙を全県議に送付した。(宮尾幹成)
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