[2020_06_12_03]関電が旧経営陣を提訴へ 岩根前社長らに損害賠償求め 金品受領問題(毎日新聞2020年6月12日)
 
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関電が旧経営陣を提訴へ 岩根前社長らに損害賠償求め 金品受領問題

 関西電力幹部らの金品受領問題を巡り、関電は岩根茂樹前社長ら旧経営陣を相手取り、損害賠償を求めて提訴する方針を固めた。提訴の対象は、外部の弁護士による「取締役責任調査委員会」から約13億円の損害を関電に与えたとして法的な責任を認定された5人の元取締役全員で調整している。関電は15日にも臨時監査役会を開き、最終決定する。
 請求額は、調査委が認めた約13億円に一連の調査費用などが加わり、更に膨らむ見通し。5人の元取締役は、岩根氏のほか、森詳介元相談役、八木誠前会長、豊松秀己元副社長、白井良平元取締役。8日に調査委が公表した報告書で、取締役として会社に損害を与えないようにする「善管注意義務」にいずれも違反したと認定された。
 関係者によると、関電の監査役(全7人)は9日、調査委の弁護士4人から報告書について説明を受けた。監査役は専門家の意見を聞きながら提訴に向けた詰めの検討を進めている。
 約13億円の内訳は、本来より高かったり不要だったりした発注で生じた損害約3億6000万円▽自社広告の中止などによる営業上の損失約7億円▽広告掲載など信頼回復の費用約2億5000万円。関係者によると、今年春まで半年を費やして多くの弁護士らが金品受領問題を調査した第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)の人件費も計上するため請求額は大幅に膨らむ。
 金品受領問題は2019年9月に発覚。第三者委の調査で、関電高浜原発がある福井県高浜町の元助役(故人)から30年以上にわたり、幹部ら75人が総額約3億6000万円相当の金品を受領したことが明らかになった。第三者委の調査では、東京電力福島第1原発事故後に電気料金を値上げした際、合理化の一環として役員報酬を削減したものの、退任した18人に計約2億6000万円を補てん(ほてん)していたことも判明した。【鈴木健太】
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