[2020_05_30_04]再処理工場「全体の工程精査」 原燃 来年度上期完工は堅持(東奥日報2020年5月30日)
 
 日本原燃の増田尚宏社長は29日、青森市内で開いた定例会見で、「2021年度上期」とする六ヶ所再処理工場の完工目標を堅持した上で「今後の全体の工程をあらためて精査し、正式合格後に公表する」との考えを示した。安全審査で「事実上の合格」を得たことに対しては、「大きな前進と受け止めているが、工場の完工、操業が大切であり、今回は節目のひとつ」と冷静に捉えた。
 原子力規制委員会は13日、再処理工場の事実上の合格証に当たる「審査書案」を了承した。現在は意見公募などの手続きを進めており、今夏にも正式合格するとみられる。
 今後、原燃は安全対策工事を進めるために、規制委に「設計・工事の方法の認可」(設工認)を申請し、審査を経て認可を受ける必要がある。工事は膨大な量となるが、増田社長は「設工認審査の効率化について規制庁に確認している」と述べ、設工認や工事にかかる時間の圧縮を図ると説明した。「20年度中」とする安全工事の完了時期にも変更はないとした。
 「21年度上期」完工の実現性については「厳しいと認識しているが、もう『延期します』と言う気持ちはない。完工をどうやって達成するか考えていく」と強調した。
 ただ、規制庁関係者は、設工認の審査に「最低1年ぐらい」を要すると指摘。さらに完工前には、事業者や国が行う使用前の検査、確認が控えており、目標達成は厳しい情勢となっている。   (加藤景子)
KEY_WORD:ROKKA_: