[2020_05_29_06]柏崎原発保安規定 東電に再検討要求 規制委「社長の責任不明確」(新潟日報2020年5月29日)
 
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柏崎原発保安規定 東電に再検討要求 規制委「社長の責任不明確」

 原子力規制委員会は28日、東京電力柏崎刈羽原発の保安規定に東電が盛り込んだ「同原発の安全対策に必要な資金を確保する」など7項目の「決意」について、実質的な審査を始めた。東電は7項目を保安規定中の「基本姿勢」に据えたが、規制委は社長の責任などに関する具体的な記述が必要だとして、東電に再検討を求めることを決めた=表参照=。
 保安規定は原発の安全管理ルールを定めたもので、柏崎刈羽原発の場合、個別のルールに加え、基本姿勢7項目が記されている。東電が同原発6、7号機を再稼働するためには、規制委から認可を受ける必要がある。
 28日の会合で、山中伸介委員は「七つの約束をどう守っていくかが明確でない」と指摘。東電が福島第1原発事故の当事者であることを踏まえ「(7項目の一つでもある)社長の責任が明確でない。保安規定の中で書く必要がある」と述べた。別の委員は、安全上のリスク情報が経営トップに上がり、その情報に基づいた対策を取れる体制を具体的に示すよう求めた。
 ほかに、「安全性向上に関して先取りする意欲を示してほしい。不満だ」との意見もあり、規制委は再検討を求めることとした。
 規制委の更田豊志委員長は、会合後の記者会見で「安全に対する一義的責任は事業者にある」と述べ、社長の責任を明確化する必要性を強調した。
 また、7項目の基本姿勢が個別ルールの条文にどこまで反映されているのかが不明確という問題も指摘。現状では、基本姿勢の違反が、罰則を伴う保安規定違反に当たるのかを判断しにくいとして、今後の審査で確認する考えを示した。
 柏崎刈羽原発6、7号機を巡っては、新規制基準適合性の審査時、福島事故を起こした東電に原発を運転する「適格性」があるかどうかが論点となった。規制委は2017年、原発の安全確保などに主体的に取り組むという東電の決意を保安規定に盛り込むことなどを前提に適格性を認めた。
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