[2020_02_26_06]女川原発2号機 再稼働へ 新規制基準に「正式合格」〈宮城〉(仙台放送2020年2月26日)
 
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女川原発2号機 再稼働へ 新規制基準に「正式合格」〈宮城〉

 原子力規制委員会は2月26日、女川原発2号機について、安全審査への合格を正式に決めました。震災で被災した原発で、新規制基準に適合したのは東海第二原発に次いで2基目で、東北では初めてです。

記者リポート
 「女川原発の再稼働に向けて東北電力が申請してから6年と3ヵ月。原子力規制委員会はきょう、女川原発に正式な合格を与えました」
 原子力規制委員会は26日の会合で、東北電力女川原発2号機の安全対策方針に対する審査書を了承し、再稼働に向けた原子炉の設置変更許可を決定しました。

原子力規制委員会 更田豊志 委員長
 「全ての委員から設置変更許可について賛成との見解がありましたので、原子力規制委員会として東北電力株式会社の女川原子力発電所2号炉の設置変更許可を決定します」
 会合のあと、原子力規制委員会から東北電力の増子副社長に設置変更の許可証が渡されました。

原子力規制庁 田口達也 安全規制管理官
 「申請のあった件については、『核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律』の規定に基づき、許可します」

東北電力 増子次郎 副社長
 「ほぼ6年にわたって審査を受けてきたが、一貫して全社を挙げ真摯に取り組ませていただいた。その結果が今回の許可ということで、女川原発2号機の再稼働を進める上で、大きな節目を迎えられたと思っている」

2011年3月の福島第一原発の事故を受け、国内のすべての原発は規制委員会が定めた新たなルールに合わなければ稼働できなくなりました。女川原発2号機の適合性審査は東北電力が2013年12月に申請したもので、およそ6年間の議論を経て、26日の合格に至りました。正式合格の一報を受け、女川原発の地元では…。

石巻市民
 「震災でも何も被害がなかったわけですから、その辺ちゃんとしてくれればいいんじゃないかと思いますけど」
石巻市民
 「石巻だって全部(UPZ)範囲内に入るから。そういう面では不安はいっぱいありますよね」

女川町民
 「基本的には再稼働に賛成なんですけど、一番の問題は避難道路ですね、何かあったときの。それが一番です」
女川町民
 「安心であればいい。それが福島の例があるだけに心配です。私たちは年だけど子供たちの健康のことを考えると、とにかく不安もいっぱい。それが本音だね」

石巻市 亀山紘 市長
「今の段階では中立的な立場で。今後とも原子力発電所の安全性あるいは避難計画について、検討してまいりたいと考えております」

女川町 須田善明 町長
 「認められたので安心ということではなくて、ここから安全対策が重要と感じているという話を東北電力にさせていただいた」

一方、今後、経済産業大臣から再稼働への理解、いわゆる“地元同意”を求められる村井知事は…。
宮城県 村井嘉浩 知事
「住民説明会を県主催で開催致します。国の方から説明していただこうと思っています。住民説明会の様子、また県内のすべての市町村長の考えを聞きたい」

東北電力は、防潮堤建設などの安全対策工事が完了する2020年度以降の再稼働を目指すとしていますが、今後、どのように地元の理解を得られるかがカギを握るとみられます。

仙台放送
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