[2020_01_10_06]東海村議選14日告示 原発再稼働、争点になるか(茨城新聞2020年1月10日)
 
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東海村議選14日告示 原発再稼働、争点になるか

 日本原子力発電(原電)東海第2原発のある東海村の議員選挙が14日告示、19日投開票される。東海第2は国による再稼働に必要な審査に合格し、原電は昨年2月に再稼働を目指す意向を表明した。今回改選される村議の任期中に再稼働に向けた工事が完了する可能性があり、再稼働を巡る焦点はいよいよ地元の判断に移る。前回村議選で低調だった再稼働の是非が争点になるかが注目される。
 今回は任期満了に伴う村議選。定数は20から2減り、18になる。今のところ、立候補するのは現職18人と新人3人の計21人になる見通しだ。再稼働の是非を巡る議会構成は、容認・推進派が12人、反対派は5人。このうち容認・推進派の2人は今回の村議選には不出馬とみられる。立候補予定者のうち新人で意思表明しているのは推進と反対で各1人のみ。このため改選後も再稼働の是非を巡る議会構成に大きな変化はなさそうだ。
 東海第2を取り巻く環境は、現職が任期中のここ4年間でがらりと変わった。2018年に再稼働に必要な一連の審査に合格。同年までだった運転期間40年の延長も認められ、原電は19年2月に再稼働を目指す意向を表明した。安全対策工事が進み、敷地では工事関係者の出入りが激しくなっている。テロ対策施設は期限となる23年10月の設置を目指している。
 原電は、新議員が任期中の今後4年間に、安全協定に基づき、県と東海村を含む周辺6市村に対し事前了解を得ようとする可能性もある。山田修村長は再稼働の是非を判断する材料に住民理解を掲げており、議会の意向も踏まえる考えだ。
 国の審査に合格してから初の改選となる今回の村議選は民意を測る貴重な機会にもなる。前回選挙では再稼働の是非を明確に主張する候補者は限定的だったが、今回は各候補者が何に言及し主張するのか注目される。
 村内の40代女性は「原発に反対する候補者は主張するが、賛成派は言わないように感じる。もっと声を上げてもいいのでは」と活発な議論を期待する。一方で、村内の3分の1が原子力関係者という背景もあり、40代の自営業男性は「仕事関係で生活に関わってくる候補者もおり、再稼働問題は争点にならないのでは」とみる。「賛成派と反対派で村民を色分けするように、二分してほしくない。正直、再稼働問題は村民も逃げ腰だと思う」とも語る。(斉藤明成)
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