[2019_01_28_03]柏崎刈羽原子力発電所荒浜側洞道内ケーブル火災の原因と対策について(東京電力2019年1月28日) |
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04:00 2019 年 1 月 28 日 東京電力ホールディングス株式会社 柏崎刈羽原子力発電所 当所は、2018 年 11 月 1 日に発生した荒浜側洞道内ケーブル火災について、3つの問題点(火災発生、自治体および報道機関への情報連絡遅れ、柏崎市消防との情報共有に関わる課題)に関して調査を行ってまいりました。 (2018 年 12 月 13 日までにお知らせ済み) 本日、それぞれの問題点について原因と対策を取りまとめましたのでお知らせいたします。 当所は、この度取りまとめた再発防止対策を徹底するとともに継続的な改善に取り組み、火災の未然防止と情報共有を含めた火災時の対応能力向上に努めてまいります。 以 上 添付資料 ・柏崎刈羽原子力発電所荒浜側洞道内ケーブル火災の原因と対策について(概要版) ・柏崎刈羽原子力発電所荒浜側洞道内ケーブル火災の原因と対策について 柏崎刈羽原子力発電所 荒浜側洞道内ケーブル火災の原因と対策について 【概要版】 2019年1月 東京電力ホールディングス株式会社 柏崎刈羽原子力発電所 1.事象概要 ○2018年11月1日、柏崎刈羽原子力発電所5号機中央制御室において、5〜7号機のケーブル洞道(とうどう)温度監視装置の温度高警報が発生 ○現場を確認したところ、ケーブル洞道に繋がる荒浜側立坑内にて発煙を確認したことから、柏崎市消防に119番通報を実施 ○発煙の原因を調査したところ、ケーブル洞道内の7号機用ケーブル接続部に焦げ痕が確認されたことから柏崎市消防が火災と判断 1.火災発生 1-1.火災発生に関する設備概要 <洞道内ケーブル損傷箇所> 当該ケーブルは3相1組で構成され、ケーブル同士を直線接続している。 火災はケーブル接続部で発生した。 1-2.ケーブル接続部の原因調査の結果 損傷のあった接続部の分解調査の結果、接続部の端部「接地線取り付け部」付近が著しく溶損しており、接地線に不具合があったと推定。 赤相の接続部について寸法測定を行った結果、シース端部が手順書通りの位置よりもケーブル側にずれていることを確認したことから、シュリンクバック(※)していると推定 (※)<シュリンクバック現象とは> ・ ケーブルの外側には絶縁体や遮へい銅テープを保護するためのシース(外装)がある。 ・ ケーブル製造時に、シースを高温軟化させ、押し出し急冷させ被覆させた際、残留応力によってひずみが残る場合がある。 ・ ケーブルへの負荷電流により発生するジュール熱や、昼夜・季節変化による温度差(ヒートサイクル)によってシースの残留応力が徐々に解放され、シースが収縮することをシュリンクバックという。 1-3.火災発生の推定原因 @シュリンクバック発生、ヒートサイクルにより残留応力が解放されシースがずれる Aシースに引っ張られ、遮へい銅テープにもずれが生じ、断線する B充電電流が内部の半導電層を流れ、抵抗により発熱 C加熱の結果、絶縁体が損傷、地絡発生 D更なる加熱の結果、他相を損傷、短絡(大量の煙) E短絡の過電流によりしゃ断器トリップ。電源停止により発煙も停止。 1-4.再発防止対策 屋外にあるケーブル洞道やトラフ内については、気温差による温度影響が小さいことから、シュリンクバック対策を実施してこなかった。 当該および類似の接続部の計99箇所について以下対策を実施する。 <ブラケット設置> 直線接続部両端の近傍をブラケットにより固定し、シュリンクバックを抑制する。 [ブラケットの写真] 今回火災を起こした当該直線接続部は、ケーブルを引き直し直線接続部はブラケットで固定し復旧する。 その他の類似箇所については、継続して外観確認を実施し、異常のないことを確認しつつ、充電中の接続部を2019年内目途に、その他については、2020年度内目途でブラケットを設置する。 なお、直線接続部の状況を踏まえて、ケーブルを引き直し直線接続部の削減も合わせて実施する。 (後略) |
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