[2018_10_10_01]再発防止へ強制停電枠拡充を=復旧、1回目は失敗―北海道停電で検証委(時事通信2018年10月10日)
 
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再発防止へ強制停電枠拡充を=復旧、1回目は失敗―北海道停電で検証委

 北海道地震による大規模停電(ブラックアウト)の検証を進めている電力広域的運営推進機関(東京)の第三者委員会は9日、再発防止に向け、大規模停電を避ける最終手段とされる強制停電枠の上限拡充を提言する方針を固めた。
 今月中にまとめる中間報告に盛り込む。最新の液化天然ガス(LNG)火力発電所の稼働などで供給力が増す来年3月まで、強制枠を約35万キロワット上積みし、180万キロワット超とするよう求める。
 電力供給は需要とほぼ一致させる必要があり、発電所停止などで供給力が著しく低下した場合には、強制停電で需要を減らしてバランスを保つことが求められる。北海道電では地震発生時に最大火力の苫東厚真火力発電所(厚真町)の3基(計165万キロワット)が全て停止するなど供給力が大幅に低下。これに対し、強制停電枠は146万キロワットしかなかったため、バランスを取るための停電実施が追いつかなかった。
 第三者委は、停止していた水力発電所の再稼働など地震後の供給力拡大を加味しても、新鋭のLNG火力などが稼働するまでは、35万キロワット分の強制枠拡充が必要と判断した。
 第三者委は同日の会合で大規模停電の原因を、道内電力需要の半分を賄っていた苫東厚真火力の全面停止に加え、地震で道東の送電網が損傷したことなどによる「複合的な事象」(横山明彦委員長)と結論付けた。
 また、北海道電が地震直後、1回目の電力復旧に失敗していたことも明らかにした。停電から35分後の9月6日午前4時に水力の高見発電所1号機(新ひだか町)の運転再開で復旧を図ろうとしたが、多量の電流が一度に流れる「大電流」が泊原発(泊村)の関連施設で発生したため、運転を停止。別の発電所を使って復旧作業をやり直した。電力広域的運営推進機関の幹部は、最初の作業失敗で道内の停電解消が「2時間半程度遅れた可能性もある」と指摘している

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