[2018_09_01_03]更田委員長は「規制委は安全を担保できない」と公式発表せよ 「動かすか動かさないかは私たちの知ったことではない」なら無責任に「合格」を乱発するな、東海第二原発「不合格」を決定せよ 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その181 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)(たんぽぽ舎2018年9月1日)
 
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更田委員長は「規制委は安全を担保できない」と公式発表せよ 「動かすか動かさないかは私たちの知ったことではない」なら無責任に「合格」を乱発するな、東海第二原発「不合格」を決定せよ 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その181 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)


◎ 8月22日(水)の規制委定例会議で資源エネルギー庁が来て第5次 「エネルギー基本計画」の説明をした。
 その折に更田委員長が面白い発言をした。
 http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/index.html

 更田委員長 <基準への適合という判断に基づいて私たちが下している許認可は、ゼロリスクですよと言っているわけではない…。そうすると、その判断を尊重しというのは、単にスルーではないでしょう…。許認可には適合しているけれども、まだ残っているリスクが許容できないからという(事業者の)判断だってあるわけですね。そこのところが、常にスルーされていて…、原子力規制委員会がオーケーと言ったものに関しては、残っているリスクは踏まえた上で再稼働に進むのだということがどこかに示されるべきだと思うのですけれども、この点はどうですか。>
 これに対して資源エネルギー庁は次の答え。
 資源エネルギー庁 <今、更田委員長が言われたように、原子力規制委員会の判断を尊重し、原子力発電所の再稼働を進めるとございます。その後段に、その際、「国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む。」とございます。これは、新基準規制に適合、再稼働に求める安全性が確認されたという段階になった際には、避難計画の整備なども含め、あるいは地元への理解活動も含め、実際に資源エネルギー庁、内閣府原子力防災担当、そういったところと連携して、地元への理解活動を丁寧にやった上で再稼働を進める努力をしてございます。>

◎ 当然、この点について当日の記者会見で記者が説明を求めた。
  http://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html

 更田委員長 <…許認可を受けたものを動かすか動かさないかは、それは主体の判断であって、…残ったリスクと、それから、得られる利得との関係において、私たちは動かしたいと考えるというのが事業者の本来。どうもそこら辺のところは伏せられてしまっていて…、積極的に推進側というか、事業者が述べようとしない。 これは資源エネルギー庁のエネ基の中でもそうですけれども、規制委員会の判断を尊重してと書かれているけれども、私たちは許可を出しているけれども、動かしましょうと言っているわけではないのだから、あなた方の判断として動かす場合、それが基準が求める安全のレベルに達している、達していないについて判断を与えているわけですけれども、動かすか動かさないかは、極端な言い方をすれば、私たちの知ったことではない。>

 そう言いながら、記者からの質問に対しては、曖昧な回答で逃げる。
 記者 <今おっしゃったようなことについて、やはりエネルギー基本計画に明記すべきだったとお考えでしょうか。>

 更田委員長 <ちょっとこれは、そこら辺になると、向こうは向こうの立場あるでしょうというような感想になってしまうけれども、ですから、こう書かれていなければいけないとまで強く求めたわけではないですけれども、私たちは私たちの説明として、こういったことは繰り返し申し上げていくことになるだろうと思います。>

◎ 要するに、
エネルギー基本計画の表現 <原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。>
について、大ウソ「世界で最も厳しい水準」も否定せず、「判断を尊重し再稼働を進める」も容認しつつ、自分たちは責任をとらないよ!と言っているのだ。

◎ 「古い工場(原子力発電所)があるので、人・物・金を節約して何とか合格して、再稼働で儲けてやろう、放射能放出も核のゴミも知ったことではない」と再稼働に突き進む電力会社の実態とかけ離れた発言はあまりに無責任だ。
 国会でも、各原発現地でも、メディアでも、「国(規制委)が安全性を確保」と吹聴して再稼働が推進されている。
 それに対してこのような言い訳をするのであれば、更田委員長は、第三者機関である独立行政法人として、次のように高らかに発表するべきだ。

 <ゼロリスクはあり得ない。私たちは原子力ムラの意向を汲んで、福島第一原発事故の検証もせず、緩やかに過ぎ、合理性を欠く「新規制基準」と甘い甘い審査で合格通知を出しているだけだ。事故が起こっても福島第一原発事故同様に私たちは何ら責任を持ちませんよ!>と。
 それでも、不合格の理由は多岐に渡り、合格させる理由の方が少ない、東海第二原発については、初めて「不合格」を出して、規制行政の最低限のモラルを示せ。

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