[2017_11_27_03]韓国・浦項地震の“余震”続く、液状化現象を初観測、原発や建物の安全性にも疑問相次ぐ(エキサイトニュース2017年11月27日)
 
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韓国・浦項地震の“余震”続く、液状化現象を初観測、原発や建物の安全性にも疑問相次ぐ

 韓国南東部の慶尚北道・浦項で15日に発生したM5.4の地震。昨年9月の慶州地震(M5.8)に次ぐ規模で、韓国内では液状化現象も初めて観測し、原発や建物の安全性が改めて疑問視されるなど、“余震”が続いている。資料写真。(Record China)
 2017年11月24日、韓国南東部の慶尚北道・浦項で15日に発生したマグニチュード(M)5.4の地震。昨年9月の慶州地震(M5.8)に次ぐ規模で、大学修学能力試験(日本のセンター試験に相当)が23日に1週間延期された。韓国内では液状化現象も初めて観測。原発や建物の安全性が改めて疑問視されるなど、“余震”が続いている。
 浦項地震は慶州地震に比べて規模は単純数値で0.4小さいだけだが、エネルギー量に換算すれば約4倍の差異がある。慶州地震は地表面から15キロ内外の深さで発生したのに対し、浦項地震はこれよりはるかに浅い9キロの深さで発生。浦項地震の震源地の人口密度が高かったこともあり、負傷者は77人と慶州地震の23人を上回った。
 さらに浦項地震では震源地周辺2キロ半径に泥が噴出した跡を約100カ所で発見。現地の専門家は「液状化現象とみられる」としている。東日本大震災などの際、各地で発生し大きな被害をもたらした液状化現象は日本では珍しくないが、韓国で確認されたのは初めてで、地震に慣れていない韓国国民には衝撃だったようだ。
 こうした中、聯合ニュースは「原発の耐震設計に対する関心が高まっている」と報道。「韓国の原発の耐震設計基準は韓国よりも規模の大きい地震が頻繁に発生する日本や米国西部、台湾などよりは低いが、地震の発生頻度や規模が同程度の英国やフランス、米国の中東部などと比較すると、ほぼ同じか高い」と伝えた。
 原発を運営する韓国水力原子力(韓水原)は11年3月の東京電力福島第1原発事故を受け、地震発生時に原子炉を停止して冷却する設備の耐震性能を高める補強に着手。原発24基中、21基はすでに耐震性能の補強が完了した状態で、残りの3基は来年6月までに終える予定という。
 聯合ニュースは「慶州地震に続き、慶州に近い浦項で再び地震が発生したことで、さらに強い地震が発生する可能性もあるとの分析も出ている」と指摘。「過去のデータを基に決めた耐震設計基準では十分ではないとの声も出ている」と警鐘を鳴らしている。
 朝鮮日報は土地を有効活用するために、1階部分を柱だけの空間にして駐車場 などとし、2階以上をオフィスや居住スペースにする「ピロティ構造」の建物で被害が目立ったことに着目。「元々地震には弱い。地震に耐えるためには1階から最上部までを柱でつなぐ必要があるが、韓国では1階部分にだけ柱を設け、その上は壁面だけで建てられたものが多い」と問題点を挙げた。
 同紙は具体例として1階の駐車場部分の柱がアメのように曲がって断裂した4階建てビル、建物が傾いたアパート、外壁が落下した大学校舎などを紹介。韓国政府に耐震基準の強化などを求めている。(編集/日向)

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