[2017_11_21_01]<「東海第2」延長>避難計画難航「無責任だ」(毎日新聞2017年11月21日)
 
参照元
<「東海第2」延長>避難計画難航「無責任だ」

 ◇重点区域に100万人 地元住民反発
 日本原子力発電(原電)が、東海第2原発(茨城県東海村)の稼働から40年を超える運転延長を申請すると表明した。東海第2原発は、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ「沸騰水型」原子炉。原電の村松衛社長は「再稼働を決めたわけではない」として、延長申請と再稼働は別問題と強調するが、周辺住民からは不安の声が上がった。
 村松社長の説明に対して、面会した茨城県の大井川和彦知事と東海村の山田修村長は「原子力規制委員会による審査結果を見て(再稼働は)判断したい」と理解を示した。
 原電は保有する全原発が停止しており、経営は厳しい状況だ。東海第2原発の再稼働に向けても、防潮堤の液状化対策など工事費用が当初見込んだ780億円から約1800億円に膨らんでいる。
 前東海村長の村上達也氏(74)は「運転延長を申請して再稼働しない選択はあり得ない」と指摘する。東海第2原発から半径30キロ圏の防災重点区域の人口は約100万人と全国の原発で最も多く、半径30キロ圏の自治体に義務づけられている避難計画の策定は難航している。村上氏は「(約100万人が住む)異常な立地の原発を動かし続けるのは住民無視で、無責任と同じだ」と厳しく批判した。
 同じく再稼働に反対する阿部功志・同村議(62)も「住民のうかがい知れないところで再稼働が決まるのだろう」と話す。同村の主婦、津幡美香さん(46)は「今も震災を覚えている。安全と言われていた原発が事故を起こすと知った。その原因も究明されていないのに、同じ型の原発が稼働するのは怖い」と訴えた。【山下智恵、玉腰美那子、片平知宏】

KEY_WORD:TOUKAI_GEN2_:FUKU1_:TSUNAMI_: