[2017_11_18_02]東電に「適格性」も無ければ審査書も不合格 原子力規制庁担当が明らかにしたずさんな審査 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その150 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)(たんぽぽ舎2017年11月18日)
 
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東電に「適格性」も無ければ審査書も不合格 原子力規制庁担当が明らかにしたずさんな審査 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その150 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 11月14日(火)の「集会&政府交渉STOP!柏崎刈羽原発の再稼働」(主催:原子力規制を監視する市民の会、FOEJapan)に参加して、東電に柏崎刈羽原発の再稼働を認められないことを再確認した。

○東電に「適格性」無しの『実績』
 規制委が基本的考え方として「1. 福島第一原子力発電所の廃炉を主体的に取り組み、やりきる覚悟と『実績』を示すことができない事業者に、柏崎刈羽原子力発電所の運転をする資格は無い。」と書いているが、福島第一原発の収束作業において多くの隠蔽と失敗があり、ロードマップを何度も延期(本年9月末に4回目の延期)しており、負の『実績』が無数にある。明らかに東電に「適格性」がない。

○耐震の緊急時対策所の機能確認していない
 東電福島第一原発事故の収束作業は免震重要棟が無ければ大変だったことは東電トップも認め、それゆえ「新規制基準」にも「免震等」と書かれ、柏崎刈羽の審査書においても「基準地震動による地震力に対し、免震機能等により、緊急時対策所の機能を喪失しないようにする」と書いてある。
 ところが、東電が耐震に切り替えたのであるから、耐震設備の緊急時対策所が地震力に対して緊急時対策機能を有しているかどうか確認しないといけない。にもかかわらず、地震担当の回答は「揺れている中で必要な作業ができるか確認していない」だった。
 以前に私が九電東京支社の人に「耐震で大丈夫か?」と尋ねたら、九電は「パソコンなどの設備にストッパーで止め、部屋には手すりを付けるから大丈夫」と答えていたが、免震を耐震に切り替えたのだから機能維持の確認が非常に重要であるのに、規制庁はこの程度の確認もしていなかったのか。稼働している川内も伊方も高浜も心配だ。
 規制委・規制庁の審査のいい加減さを再確認した。

○「経産省」を理由に責任回避?
 規制庁担当の回答の中で何度も「経産省が」が出てきた。確かにパブコメと並行して経産省の確認をとり世耕経産大臣が「許可に異存なし」を記者発表した。
 しかし、審査をしたのは原子力規制委員会である。「経産省が推進している」「経産省が異存なしと言っている」を強調して、自分たちの審査責任を回避しようとするのは、やはり今回の東電柏崎刈羽原発の再稼働を認める自信がないからであろう。
 今、規制庁で900件余りのパブコメ意見を集約しているが、規制委・規制庁に少しでも良心が残っているならば、設置変更許可を取り消すべきだ。

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