[2017_10_26_02]海路避難の手順確認 東通原発事故想定 フェリーで函館へ(東奥日報2017年10月26日)
 
 県なとは25日、東北電力東通原発の重大事故を想定した県原子力防災訓練を県内各地で行った。津軽海峡フェリー(大間−函館間)を使った函館港経由の海路避難に初めて取り組んだほか、被災状況などを映像で共有する映像伝送訓練を実施。昨年より避難エリアを拡大して弘前市の県武道館にも避難所を開設し、万一の際の手順を確認した。       (加藤彩美、下館悠々)
 訓練は同原発内の装置が故障したことで外部電源が停止し、原子炉注水機能が喪失したーとの想定で実施。東通村など5市町村の住民、県警や自衛隊など約90機関の関係者合わせて約1500人が参加した。
 函館港への避難訓練に参加したむつ市民23人は、バスで同市下北自然の家に移動し放射性物質の付着検査をした後、大間港から津軽海峡フェリー「大函丸」で避難。伝法百合子さん(70)は「(海岸沿いを通り、カーブが複数ある国道279号は)避難道路として十分ではないように感じた」と感想を述べた。
 一方、県武道館の避難所では、空気浄化機能を備えたエアシェルターなどが展示された。陸上自衛隊第9師団第9化学防護隊が、防護マスクなどの装備品を展示。除染車を用いて放射性物質が付着した車両を温水で取り除く訓練も行った。
 視察した三村申吾知事は「県民には事故で起こり得ること、どうすべきかを常に意識してほしい。県もより質の高い訓練を積み重ねていく」と述べた。六ヶ所村から約2時間半かけて避難所に到着した戸鎖自治会会長の高田幸徳さん(72)は「トラブルが起これば移動時の渋滞が考えられる。トイレの問題が一番大変だと感じた」と話した。
KEY_WORD:HIGASHI_TOUHOKU_: