[2017_10_11_02]審査対応中断を表明 原燃社長 安全管理問題で 保安規定違反4件(東奥日報2017年10月11日)
 
 日本原燃の六ヶ所再処理工場やウラン濃縮工場で安全管理上のトラブルが相次いでいる問題で、工藤健二社長は11日午前、都内で開かれた原子力規制委員会定例会合に出席し、設備の保守管理体制が整うまで再処理工場の審査対応を中断すると改めて表明した。規制委員会は同問題で、点検の不備など計4件を保安規定違反と判定した。    (古川靖隆)
 原燃は12月末までに、60万以上とされる再処理工場内の設備・機器のうち未点検のものを洗い出し、必要な点検・補修を行う方針。大詰めを迎えていた再処理工場の新規制基準適合性審査が本格的に再開するのは来年以降となり、来年度上期とする同工場の完エは延期が避けられない見通しとなった。
 定例会合でエ藤社長は、一連のトラブルについて「さまざまな心配をおかけし、深く反省している」と陳謝。社員が現場の問題点を見つけ、早期に解決するプロセスを構築するとした。
 保安規定違反とされたのは▽再処理工場で長期間未点検だった設備から雨水が流入▽北陸電力志賀原発(石川県)での雨水流入を踏まえた報告書で、現場を確認しないまま止水処置がなされていると記載▽ウラン濃縮工場で未点検だった排気ダクトがさびで損傷(軽度の違反に当たる「監視」と判定)▽排気ダクトのある天井裏に入る際、汚染防護具の着用を不要としていた(同)−の4件。
 原燃は今年2月にも、事実と異なる社内文書を作成するなど安全管理部門で不適切な対応があったとして規制委から4件の保安規定違反を指摘されている。度重なる違反に規制委の田中知委員は「表面的な対策では改善できない。もし改善できないのであれば、規制委としてもしかるベき対応を取ることがあり得る。相当の危機感を持って取り組んでほしい」と述べ、原燃の対応を注視する姿勢を示した。
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