[2017_09_12_03]柏崎原発「合格」先送りへ 規制委、拙速批判に配慮か(東京新聞2017年9月12日)
 
参照元
柏崎原発「合格」先送りへ 規制委、拙速批判に配慮か

 原子力規制委員会は、東京電力が再稼働を目指している柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の審査で、十三日に予定していた事実上の「合格証」に当たる審査書案の取りまとめを見送る方針を固めたことが十一日、関係者への取材で分かった。規制委は、十八日に退任する田中俊一委員長の任期中の「合格」を目指していたが断念し、新体制で合格の判断を出す。
 規制委は、福島第一原発事故を起こした東電の原発事業者としての適格性に一貫して厳しい姿勢だったが審査の最終盤で一転して容認。前回六日の定例会合で審査書案の取りまとめに入る方針を示したが、ごく短い議論で適格性を認めたことに批判が相次ぎ、かわす狙いがあるとみられる。
 十三日は、田中氏が出席する最後の定例会合。関係者によると、審査書案の取りまとめには入らず、適格性について再び議論する。これまで、定例会合以外の臨時会合などで審査書案を取りまとめたことはなく、6、7号機の審査は新体制に引き継がれる。
 規制委は六日の定例会合で、従来の厳しい姿勢から一転して「第一原発事故の経験はプラスになる」と評価。田中氏や更田豊志(ふけたとよし)委員長代理は「事故の責任と(安全を確保する)技術力は別問題」とした上で「適格性に大きな異論はない」と事実上、容認した。

KEY_WORD:KASHIWA_: