[2017_09_05_03]米山知事「柏崎原発検証に生かす」福島第1を初視察(新潟日報2017年9月5日)
 
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米山知事「柏崎原発検証に生かす」福島第1を初視察

 米山隆一知事は4日、就任後初めて、廃炉作業が行われている東京電力福島第1原発を視察した。県トップとして現地の状況を把握し、福島事故の原因など東電柏崎刈羽原発の再稼働問題に関して県が取り組む三つの検証に生かすのが狙い。視察後、米山知事は「事故を起こすと必要になる(社会的な)コストの大きさを痛感した」とした上で、「実感を持ってこれからの検証を進められることは意味がある」と視察の意義を強調した。
 視察は、原発事故の住民の健康、生活への影響と、事故時の安全な避難方法を検証する二つの委員会が9月中にも始動するのに合わせて実施した。7月に盛岡市で開かれた全国知事会で、福島県の内堀雅雄知事が福島第1原発など、福島県内の視察を呼び掛けたことも踏まえた。
 米山知事は、東電の小早川智明社長らから廃炉作業の現状などについて説明を受けた後、原発構内に入った。約2時間かけ、津波による停電や水素爆発などで深刻な状態に陥った1、2号機の中央操作室や5号機の格納容器下部、汚染水対策の現場を巡った。1、2号機では事故当時の現場の様子について、東電職員に熱心に尋ねたという。
 終了後、米山知事は取材に「非常に生々しい現場で、防潮堤などの備えが不十分だったことは事実」と指摘。「二度と事故を起こさないためによく現場を検証し、事故で起こった以上のことをきちんと想定して備えるべきだ」と述べた。
 米山知事は原発視察に先立ち、福島県庁で内堀知事と面会し、浪江町の被災現場も視察した。内堀知事との面会では冒頭、「互いに原発を抱えており、万が一の時に助け合える体制を確実につくっていきたい」と呼び掛けた。本県が進める検証作業への協力を要請し、内堀知事は快諾したという。

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