[2017_04_04_06]間髪を入れず週刊「女性自身」にかみつく原子力規制委員会 原発建屋カバー撤去による線量上昇? それとも山林汚染がひどいから? 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その131 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)(たんぽぽ舎メルマガ2017年4月4日)
 
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間髪を入れず週刊「女性自身」にかみつく原子力規制委員会 原発建屋カバー撤去による線量上昇? それとも山林汚染がひどいから? 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その131 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 3月21日発売の週刊誌「女性自身」の記事
 <【驚愕報告】福島原発建屋カバー撤去で放射能汚染急増中都内で4.5倍、福島で65倍!!>に対して、原子力規制委員会が早々と3月24日に次の見解を発表した。

<平成29年3月21日女性自身の記事について
 平成29年3月21日(火)発売の「女性自身」において、平成28年9月13日から11月10日に実施された東京電力福島第一原子力発電所一号機の建屋カバー撤去に伴い、環境中の放射性物質(定時降下物)の濃度が上昇しているとの記事が掲載されております。
 その中で、原子力規制委員会に問い合わせたところ「いま数値が上がっていることと、建屋カバー撤去との関係は否定できません。」との回答があったとの記事が掲載されていますが、事実関係は以下のとおりです。
事実関係:
 福島第一原子力発電所における平成28年9月から平成29年1月までの敷地内及び敷地境界のダストモニタのデータ及び敷地境界のモニタリングポストのデータについて確認してきておりますが、これまでのところ異常な数値は確認されていません。
(第52回特定原子力施設監視・評価検討会資料1(抄)参照)
 したがって、降下物の数値の変動と建屋カバー撤去工事及びその後の作業との関係はないと考えております。
参考 第52回特定原子力施設監視・評価検討会資料1(抄)
>(http://www.nsr.go.jp/news_only/20170324_01.html)

 これについての「女性自身」編集部は「記事に掲載した通りの回答があったことは事実です」「(記事の内容を)訂正するつもりはありません」と答えたそうだ(J−CASTニュースより)。
 一方、福島県のモニタリング担当に尋ねたところ、カバー撤去による線量上昇は確認していない、原子力規制委員会と見解は同じと答えた。
 が、細かく「女性自身」記事の観測データについて尋ねると、バケツに水を張っておいてひと月後に測った時に、線量が大きく出たことはあり、記事のデータが間違いとは言えない。しかし、線量の季節変動が激しく、冬場は西風が吹くと線量が上がることがあり、カバー撤去原因とは言えないと答えた。

 モニタリングのデータを一瞥してもカバー撤去影響を現すデータは私には見つけられず、規制庁職員が「女性自身」記者に間違って答えた可能性があると思う。
 それにしても、発売後早々に東電の発表データまで活用して記事批判をした規制委、「科学的・技術的」を標榜しているのだから、モニタリングデータを照らし合わせて、線量上昇の原因を追及して記事の真偽を論ずればいいのにそれをしない。
 年間20mSv以下の区域を「避難指示解除」とする棄民政策を強行している年度末に、各地の空間線量の議論が巻き上がったらまずいと判断したからであろう。
 実際に、大熊町の最新3月24日のデータで毎時40μSv(年間350mSv)を観測しているところもあり、イチエフ構内よりも空間線量が高いところが多々あるのだから。
 また福島県も、規制委や経産省や東電に任せるのではなく、実データに基づいてしっかりと県民の命と健康を守ってもらいたい、と思った。

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