[2017_03_27_04]海抜30メートル超 平安時代に襲来か 山形 巨大津波の痕 山野井名誉教授(山形大)リスク指摘(東奥日報2017年3月27日)
 山形県鶴岡市沿岸の砂丘の地層から、平安時代に巨大津波が起きたとみられる痕跡が見つかったとの研究結果を、山形大などのグループが26日までにまとめた。海抜30メートルより高い地点で確認され、従来の県の想定を超える津波が襲う恐れがあると指摘している。
 グループの山野井徹・山形大名誉教授(地質学)によると、鶴岡市湯野浜地区の庄内砂丘で粘土質の泥の層が見つかった。砂丘では.通常、砂の層しかないため、日本海が震源の地震で巨大津波がこの場所まで浸入し、運ばれた泥が堆積したとみている。
 最も高い位置は海抜37・9メートルで、海岸から約1600メートル内陸だった。地盤の高さは当時からあまり変化がないと考えられるという。泥の層に含まれていた植物の年代測定で、津波は1000年代から1100年代の平安時代ごろに押し寄せたと判断した。
 山形県が公表している大規模地震の想定では、マグニチュード7・7〜7・8の地震が山形県沿岸で発生し、県内に最大16・3メートルの津波が押し寄せる。研究グループは、今回の痕跡はそれより大きな津波によるものだとしている。
 山野井名誉教授は、東日本大震災では、東北地方の太平洋側を巨大津波が襲ったとされる869年の貞観地震の研究成果を十分生かせなかったと指摘。「近年、大きな地震や津波がなくても、安全とはいえない。過去の地震を知って対応を考えてほしい」と話した。
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