[2017_03_26_01]<核ごみ処分場>有望地マップ、夏に延期…表現修正し再説明(毎日新聞2017年3月26日)
 
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<核ごみ処分場>有望地マップ、夏に延期…表現修正し再説明

 経済産業省は、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向け、昨年に全国規模で実施した一般向けの説明会を5月以降、やり直す方針を決めた。処分場の適性を全国地図で色分けする「科学的有望地マップ」の検討を進めてきたが、適性に関する表現を撤回・修正したため、説明会で再度説明し直す。
 これを受け、マップの発表も説明会後の今夏ごろにずれ込む見通しで、当初予定(昨年末)より半年以上遅れる可能性が出てきた。政府はマップ公表を足がかりに処分場の必要性をアピールし、具体的な候補地選定を進める考えだったが、選定作業は出だしから遅れることになった。
 経産省は昨年5〜6月に実施した説明会で、有望地マップについて、処分場の適性を「低い」「ある」「より高い」の3色に塗り分ける方針を示していた。
 これに対し「地元に処分場を押し付ける印象を与える」などの意見が出たため、経産省の有識者検討会が「適性がある」との表現は撤回し、「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」などと言い換えることを決めた。
 説明会は5〜6月、東京や札幌など都市部を中心に数カ所で開催する方向で検討している。
 ただ、新しい表現に対しては検討会メンバーの間でも「余計に分かりにくくなった」との意見もあり、説明会をやり直しても効果は期待できないのではないかとの指摘も出ている。【岡田英】
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 ◇核のごみの最終処分場選定

 政府は、原発の高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜて固め、地下300メートルより深い地層に処分する方針。全国地図「科学的有望地マップ」を示した後、複数地域を選んだうえで最終処分法で定めた20年程度の調査期間を経て、最終的な処分地を決める。マップでは「火山から15キロ以内」などの要件に一つでも該当すれば「適性が低い」と表現してきたが、「好ましくない特性があると推定される」と変更。「科学的有望地」との呼称も今後見直す。

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