[2017_03_01_05]WHに破産法適用、3000億円弱の損失と東芝試算=関係筋(ロイター2017年3月1日)
 
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WHに破産法適用、3000億円弱の損失と東芝試算=関係筋

[東京 1日 ロイター] - 東芝が米国の原子力事業子会社、ウエスチングハウス(WH)について、米国の連邦破産法11条を適用した場合、新たに連結決算に3000億円弱の損失が生じる可能性があると試算していることが1日、分かった。複数の関係筋が明らかにした。
 東芝は、破産法の適用により、7000億円超の減損損失の主因となったWHの今後の損失発生リスクを遮断したい考えだ。WHの事業構造の見直しや、ガバナンス改革を進めた上で、事業継続した場合の損失発生リスクとを比較検討し、破産法を申請するかどうかを慎重に見極める。社内には、原発事業に関連した部門から、破産法適用に否定的な声も出ている。
 破産法適用を決断した場合、7000億円超の減損損失に加え、3000億円弱の損失が加わることになる。
 東芝は2月中旬、WHに外部の専門家を含めた調査チームを派遣し、資産査定を実施。破産法適用による収益への影響を精査している。破産法適用でWHが連結対象から外れることにより、一定の利益計上が見込まれるプラス面がある一方、支払い保証などによるコスト発生などのマイナス面もあり、東芝に対する影響額は差し引き3000億円弱の損失と試算した。
 東芝はWHに対して8000億円の債務保証を行っているが、今回の影響額調査では、将来の損害賠償請求などは含まれておらず、実際の損失額はさらに拡大する恐れも残っている。
 東芝の2017年3月末の株主資本は、WHの原子力事業による減損損失計上を主因として、マイナス1500億円の債務超過となる。主力のNAND事業の過半数以上の株式売却により、早期の債務超過解消が課題となっているが、売却手続きは4月以降にずれ込むため、東証2部に降格される見通し。
(布施太郎 取材協力:浦中大我、浜田健太郎 編集:田巻一彦)

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