[2016_11_28_01]川内1号機 運転再開を知事容認「特別点検終了後に結論」(毎日新聞2016年11月28日)
 
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川内1号機 運転再開を知事容認「特別点検終了後に結論」

 鹿児島県の三反園訓(みたぞの・さとし)知事は28日、定期検査中の九州電力川内(せんだい)原発1号機(同県薩摩川内市)の運転への対応について、九電が同時に実施している特別点検終了後に結論を出すとの考えを表明した。特別点検には12月8日に予定される運転再開後に実施する項目も含まれるため、1号機の運転再開を事実上容認する姿勢を示した。
 知事は28日開会の12月県議会に、川内原発の安全性や避難計画の妥当性などを判断する検討委員会設置のための関連予算300万円を計上した12月補正予算案を提案。その理由説明の中で「九電から提出される特別点検の結果報告を検討委で検証・確認していただき、その結論を踏まえて総合的に判断したい」と述べた。
 知事の要請を受け、九電は9月27日から1号機で法定項目に加え特別点検を実施している。九電は特別点検が終了次第、県に結果を報告することにしているが、原子炉の安全機能装置の作動試験の一つで、タービンの保守装置の点検は運転再開後でなければ実施できないという。
 ただ知事は、今月11日に特別点検を視察した際「(検討委で)安全でないとなれば私は強い対応をとろうと思っている」とも述べている。今後設置される検討委の結論次第では、九電に対し、一度再開した1号機の運転停止を要請したり、12月16日に定期検査入りする2号機の運転を再開(来年2月下旬予定)しないよう求めたりする可能性もある。
 検討委の結論前に運転再開しないよう九電に求めることを県に要請してきた、県労連議長の平良行雄さん(57)は「九電が特別点検の結果、『大丈夫』ということはわかりきっている。運転再開しないよう強く対応してほしい」と批判した。
 一方、九電の瓜生(うりう)道明社長は10月末の記者会見で1号機の運転再開について「粛々と実施したい」と説明しており、広報担当者は三反園知事の表明に「特にコメントはない」とした。【杣谷健太】

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